A.
医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「指ハブ」という工芸品のおもちゃをご存知ですか。植物の皮で編んだ筒の口から指を入れて、引っ張ると筒がしまります。抜こうとして強引に引っ張れば引っ張るほど、きつくしまって指が抜けなくなってしまうのです。この時、咄嗟に引っ張ってしまいそうになりますが、反対のことをするとどうなるでしょう? 抵抗するのを止めて、指をリラックスさせ、引っ張る代わりにそっと押すと、実は簡単に罠から抜けることが出来るのです。
不眠もこの「指ハブ」と同じです。抵抗してもがくと、目覚めている不快感に加えて、怒りやイライラ、欲求不満やパニックなどの不快な感覚を味わうことになり、さらに入眠が遠のいてしまいます。
そこで、「眠れないことをありのまま受け入れてみる」という方法が考案されました。そうすれば、逆説的ですが、不眠に打ち克つ可能性が高くなり、結果的によく眠れるようになります。即ち、眠れないことをリラックスして受け入れ、それに抵抗せず、否定的な反応(パニック、心配、怒り、イライラ、欲求不満など)を、肯定的な反応に置き換えるのです。眠れない時は、以下の事柄を思い出して下さい。
★《眠れない時に思い出すと良い5つのこと》★
① 今は目が覚めていたとしても、自分を含めどんな人も必ず眠ることが出来る。
② 誰でもいつか必ず眠くなる。自分も必ずそうなるので、自信を持ってよい。
③「眠れない」ことを怖がらないで、「どんな人でも眠れる」と自分に言い聞かせる。時間は掛かるかもしれないけれど、最終的には必ず眠ることが出来る。
④ 例え眠れなくとも、ベッドで休んでいるだけで、身体が回復して翌日に上手く対処できる。
⑤「数時間眠れないだけで、大きな害はない」と、自分を安心させる。
このように「眠れないことを受け入れる」と、不眠に伴う不快感の多くが、実は不眠に抵抗する時の不満と怒りによって引き起こされていることに気が付かれることでしょう。
言い換えれば、不眠の最大の問題は、「目が覚めていること」ではないのです。「目が覚めていること」に対する否定的な感情の反応こそが、不眠を悪化させるのです。従って、眠らないことに対する否定的な感情の反応が収まるにつれて、ストレス反応のスイッチは切れて、気がつけばいつの間にか穏やかな眠りについているかもしれません。
このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、睡眠障害(不眠症)をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、適応障害、不安症、
自律神経失調症、心身症、ストレス関連障害、冷え性、
パニック症、月経前症候群(PMS)、摂食障害(過食症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
統合失調症、強迫症、過敏性腸症候群(IBS)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。