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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
沢山歩いた日の夜や、ストレスフルな日々が続いた時、または特に何もしていなくても、急にふくらはぎが「つる」ことがあります。こうした「こむら返り」を起こしやすい方は、明け方に突然激痛に襲われて飛び起きるということも少なくはないでしょう。
足がつる原因については、西洋医学的には、まだ全貌が解明出来ている訳ではないそうです。筋肉の働きに関わるカリウムやマグネシウム、カルシウム等のミネラル不足や水分不足、筋肉疲労、病気、老化によって引き起こされるとも言われていますが、こむら返りの多くは健康な人にも起こる現象なので、余程回数が多い場合以外はそこまで心配する必要はないと言われています。
中医学(漢方)で、「筋」に関係する臓器は「肝(かん)」です。本来「肝」の中にたっぷり貯蔵されているはずの「血(けつ)」が不足している場合や、「肝」の巡らせる力が弱まっている場合などに、「筋」の痙攣が起きやすくなると考えます。顔色が良くない、爪が割れやすい、目が疲れやすい、生理が遅れがち、立ちくらみがする…等の「血虚(けっきょ)」の諸症状が出ている場合は、「血」不足から引き起こされている可能性が高いとされています。
もしそうであった場合、「血(けつ)」を補うために、ニンジン、ホウレン草、落花生、ブドウ、ライチ、イカ、タコなどの食べ物を意識して摂っていきましょう。また、「肝」を補う味である「酸味」、しかもカリウムなどのミネラル分も豊富なリンゴやオレンジ等のフルーツもお勧めです。
こむら返りが起きた時に、無理に動かしたり歩き回ったりするのは、筋にダメージを加えてしまうのでNGです。慌てずじっとして患部を温める(手のひらでくるむでもOKです)、やさしくマッサージをする、こむら返りを軽減するツボを押す…等で対処されて下さい。こむら返りのツボは2ヶ所あります。「陽陵泉(ようりょうせん)」と「足三里(あしさんり)」です。スネ側が痙攣している時には足三里、ふくらはぎ側が痙攣している時には陽陵泉を押します。両手の親指を重ねてぎゅっと、かなり強く押し続けて下さい。
また、余りにも頻繁に早朝にこむら返りが起き、それが原因で早朝覚醒をしてしまい困っている、といった方には、漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が処方されるおともあります。
当院では、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安障害(不安症)、
過敏性腸症候群(IBS)、心身症、ストレス関連障害、
摂食障害(過食症)、パニック症、強迫症、適応障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
月経前症候群(PMS)、統合失調症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
なお、体質改善の漢方薬(漢方療法)は、当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することが可能です。心療内科において、漢方薬による治療をご希望の患者様は、ぜひこの機会にご相談されてみられては如何でしょうか。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。
出典:現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖症状からチャートで選ぶ漢方薬 杉山卓也著 SHOEISYA
参考資料:「Kampo View」https://www.kampo-view.com/