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漢方を選ぶときはどうやって選ぶ?

 

「漢方を選ぶときはどうやって選べば良いですか?」

 

A.

 

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

漢方を選ぶとき、勿論医師薬剤師にご相談いただくのが一番ですが。

漢方には体質や体系から判断される「証(しょう)」と、体の状態を捉える「気・血・水(き・けつ・すい)」というものがあります。

 

証は「実証(じっしょう)」「虚証(きょしょう)」、そして双方の中間にあたる「中間証(ちゅうかんしょう)」があります。

 

実証と虚証の特徴は以下の通りです。

 

実証

虚証

・体力がある

・筋肉質で固太り

・血色がよく肌ツヤがある

・胃腸が丈夫で便秘ぎみ

・声が力強い

・暑がり

・体力がない

・瘦せ型で水太り

・顔色が悪く肌荒れしやすい

・胃腸が弱くて下痢しやすい

・声が弱々しい

・寒がり

 

医師は、この証を見て次にご紹介する「気・血・水」のバランスを整えます。

気は生命エネルギー、元気の素、血はそのまま血の流れ、水は血液以外の水を差します。

これら3つがバランス良くあると健康であり、これらのバランスが崩れると体に症状が現れます。

 

バランスが崩れた状態を次のように表現します。

 

血は十分だが流れが滞っている状態を「瘀血(おけつ)」

血の流れが滞り肩が凝る、手足が冷える、と言うのはこの状態を指します。

温めて血流を良くし肩こりや冷えを改善するのは瘀血を改善させていたんですね。

 

続いて「血虚(けっきょ)」これは血の量や質が不足している状態を指します。

血液検査で貧血と言われた、血が薄くて献血が出来なかった、そんな人はこのタイプに属するかも知れません。

また、肌も乾燥しやすくなります。

 

続いて「気虚(ききょ)」

気が不足している状態を言います、気力が無いと言う言葉そのままに。

原因の無い体の怠さを感じられる方もいらっしゃるでしょう。

 

続いて「気滞(きたい)」/気鬱(きうつ)、肝鬱(かんうつ)、肝鬱気滞(かんうつきたい)とも呼びます。

気の量は十分足りているが滞っている状態を指します。

不安感やのどが詰まったような感覚、体は元気なのになんだか落ち込んでいる…と言うときは気滞の状態かも知れません。

 

続いて「水滞(すいたい)」/水毒(すいどく)、痰飲(たんいん)とも呼びます。

水が滞ったり、不足している状態です。

多すぎても少なすぎてもこの水のバランスが乱れ、症状としては浮腫み、頭痛などが挙げられます。

 

これらは独立して存在している訳では無く、血虚と水毒が重なっている。

気虚と瘀血が混在している、など同時に起こることもあります。

 

自分の証が何か、今乱れている気・血・水は何かが分かると漢方は選びやすくなるかも知れません。

ただし、自分の証にあっていない漢方を服用をすると副作用が出ることもあります。

また、証は変化することもありますので病院を受診し医師に客観的に判断していただくことも必要でしょう。

 

心療内科、精神科において、漢方薬による治療をご希望の患者様。

このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、ご受診をお待ちしております。

 

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出典:現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖症状からチャートで選ぶ漢方薬 杉山卓也著 SHOEISYA

参考資料:「Kampo Viewhttps://www.kampo-view.com/