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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「ビギナーズマインド」即ち「初心」は、禅仏教に由来する考え方であり、先入観や障害物に惑わされることなく、新鮮な気持ちで物事を見たり体験したりすることです。
経験だけに頼らず、初めて見聞をしたことをイチから学ぼうという「ビギナーズマインド(初心)」の心構えは、「エキスパートマインド(名人の心)」と対極にあります。繰り返し経験して疑問を持たなくなると、名人の心で物事に接するようになります。何も考えずに、それが唯一の正しい方法だと信じ込んでしまうのです。
一部の心理学者は、多くの不眠症の患者様が、眠り方に関して「名人の心」になりきってしまっていると指摘します。「自分は眠れない体質なので、睡眠薬やアルコールに頼るしかない」「他の新しい解決法を試すのは無意味だ」等と信じ込んでしまうのです。
「今、ここ」で感じることをありのままに受け入れる「マインドフルネス」に基づく不眠症の治療に、実はこの「ビギナーズマインド(初心)」の概念が取り入れられているのです。不眠の方が抱いている眠りのイメージの大前提を取り払い、まっさらな視点で睡眠を見つめることで、快眠を促すのです。
★「ビギナーズマインド(初心)」に基づく不眠症の治療法★
①「ビギナーズマインド(初心)」、つまり「偏見のない心」でベッドに入ります:毎晩、夜が来る度に、唯一無二の全く“新しい夜”と見なします。他の夜と比べてどのように展開するのだろうか、という思いは一旦捨てます。そして、「これは新しい夜だ。昨夜何が起こったのかは関係ないし、明日何をする必要があるのかを心配するのも無意味だ。私は今夜のこれからの展開に、怖れではなく新鮮な気持ちで接しよう」と、自分に言い聞かせます。
② 睡眠についての先入観を捨てます:まっさらな気持ちで始めて下さい。「私の身体はよく眠れない」「明日は酷い気分になるに違いない」「眠れないと健康によくない」…等と考えるのは止めましょう。誰でも眠ることが出来るという事実を認識し、自分にもその能力があることを認めます。「私が偏見(先入観)を捨てれば、私の身体と心はよく眠ることが出来る。私は自然にそうできると信じている。心配したり不安に思ったりしても意味がない。私の身体と心は、私を助けたがっている。休息は私にとって重要だから、この時間を楽しもう」…等と自分に言い聞かせます。
③ 自分の心を「今、ここ」に開きます:眠れなかった過去の心配も、明日疲れることへの未来の心配もありません。ただ、心地よくベッドに横になり、自分が感じることに意識を向けます。心拍や呼吸、鼻を満たす空気、頭からつま先までの、身体全体の感覚に意識を向けます。
……ぜひ、この「ビギナーズマインド(初心)」という新しい物の見方を取り入れられて、ご自分の眠りを新しい視点で見ることに繋げてみて下さい。
このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、
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