これまで複数回に渡って、月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)について記事を書かせていただきましたが。
今回はその総集編②をお送りしたいと思います。
是非ご参考にしてください。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』の発症時期・契機とは?」
「月経前不快気分障害(以降、PMDD)」の発症時期には、もちろん個人差がありますが、概ね20歳代で始まることが多いようです。実際、多くのPMDDの患者様が20歳代に発症されています。
PMDDの発症前には、全員がそうという訳では当然ありませんが、何らかの「ライフイベント」があるケースが多いようです。例えば、入学、就職、転職、独居、転居、結婚、離婚、出産、介護、親との死別…などの様々なライフイベントを契機にPMDDを発症される女性の方は少なくありません。
このように様々なライフイベントを契機に発症することが多いPMDDですが、未治療であれば、通常は閉経まで(生理がない妊娠中や授乳期を除き)、月経の前ごとにPMDDの症状が繰り返し出現することが多いとされています。
アメリカ精神医学会の『DSM-5』では、PMDDの発症に関連した環境因子として、ストレス、対人関係における外傷体験、季節の変化、及び女性の社会的役割に関する事柄…などが挙げられています。加えて、同じく『DSM-5』によると、PMDD発症時期は、初潮以降であれば、いかなる時期でも起こり得るとされています。また、PMDDの遺伝率も掲載されており「30%~80%」という高値が現在推測されています。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』の特徴を教えて下さい」
「月経前不快気分障害(以降、PMDD)」を端的に表現するならば、「月経の前だけうつ病になってしまう精神疾患である」と言えるでしょう。もっと言ってしまうと、「月経の前ごとに(非定型)うつ病を呈する疾患」です。
PMDDの患者様は、月経前以外の時期員は、PMDDではない他の女性と同様の質の高い生活(QOL)を送ることが出来ますが、月経前の数日から2週間にわたり、うつ病の抑うつエピソードと同様の重篤な精神症状が出現することにより、仕事(職場)、学校、家庭などでの日常生活や人間関係に、大きな支障を来たしてしまいます。
PMDDで見られる抑うつ症状は、その殆どが、通常の定型うつ病のものとは異なり、むしろ非定型うつ病に見られるような症状、例えば過食や過眠などといったものを伴うことも特徴です。そして、これらのPMDDの症状は、月経が始まると共に、全てが速やかに改善し、月経の後の1週間は、ほぼ完全に症状が消失していることも特徴です。そして、次の月経前にも、再び同様のPMDDの諸症状が現れます。適切な治療が行われなければ、このサイクルが1年以上に渡って続く疾患がPMDDなのです。
PMDDの症状は、多くの患者様の場合、月経の7日~10日前頃に出現し、その後は月経日に向かって、徐々に悪化していきます。しかし、月経の開始とともに、これらの症状は速やかに消失します。通常は、月経初日または2日目までには、PMDDの症状はほぼ無くなりますが、一部の患者様では、月経3日目~4日目あたりまで、軽度の症状がある方もいます。
また、上記の期間に加えて、排卵日付近にも、抑うつ症状は出現する患者様もいらっしゃられます。このような患者様は、排卵日が過ぎると、一旦は症状が軽快されるタイプの方と、排卵日以降、抑うつがそのまま月経初日まで継続される場合(これはかなり稀なケースです)の2つのパターンが更にあるようです。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』の精神症状を教えて下さい」
今回は、PMDDにみられる具体的な症状について書かせて頂きます。PMDDの症状は、精神症状と身体症状に大別されています。まず「精神症状」についてです。
PMDDの精神症状では、病的なレベルでの抑うつや不安などが問題になります。中でも最も特徴的な精神症状は、著しい抑うつ気分です。空虚感を強く感じ、「気分が憂うつだ」「何もかもがつまらない」などと訴えられることが多いです。また、絶望的な気持ちや、「自分は周りの人たちと比べて劣っている」といった自己卑下の観念に襲われることもあります。通常は、著しい病的なレベルでの不安も出現し、強い緊張感やイライラ感も自覚されます。
加えて、感情面においては、情緒が顕著に不安定になり、理由なく突然悲しくなったり、普段よるも涙もろくなったりされます。他者から、少し否定的なことを言われただけでも、敏感に反応し、大泣きをされてしまうことすらあります。また、怒りっぽくなり、些細なことで他者と口論になってしまうこともあります。全体的に、感情のコントロールが酷く困難になってしまわれたような感覚を持たれることでしょう。
他にも、集中力の低下や、気力の低下、疲れ易さも感じられます。全体的に頭の回転にキレがなく、考えもまとまりにくくなることで、日常生活や社会生活を送られる上でも能率や効率が低下し、仕事や家事が全く手につかなくなることも起こり得るのです。
今回は「身体症状」についてです。PMDDでよく現れる身体の症状は、「睡眠の障害」と「食欲の異常」です。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』の身体症状を教えて下さい」
「睡眠の障害」は、昼夜を問わず、1日中眠くて仕方がないといった「過眠(睡眠過多)」が出現します。但し、一部のPMDDの患者様の中には、不眠になることもあります。また、昼間は過眠を、夜間は不眠を、それぞれ認めることもあります。
「食欲」は、一般には過食になります。異常に食欲が出たり、間食が増加したり、甘い物や炭水化物のみを欲したりされることが多く見られます。それに伴い体重増加が出ることもあります。但し、一部のPMDDの患者様の中には、食欲不振傾向が強く出るケースもあります。
その他の身体症状としては、乳房の疼痛や膨満感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下腹部の疼痛や膨満感、便秘や下痢、冷えやのぼせ、浮腫(むくみ)、膨らんでいるような感覚…などが見られることがあります。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』と鑑別が必要な疾患とは?」
PMDDとの鑑別が必要な疾病はPMSのみではありません。PMDDと鑑別すべき疾病としては、PMSは言うまでもありませんが、「他の精神疾患の月経前の悪化」という場合も往々にしてあり得るのです。
既に何らかの精神疾患に罹患されている女性の患者様は、月経前には抑うつ症状が悪化すること多いとされています。このことを、英米圏では“premenstrual exaggeration(月経前の誇張)”と呼ばれています。これらは、PMDDではなく、「現疾患名+PMS」と診断するのが最適でしょう。この状態と、PMDDの鑑別ポイントは、「月経終了後の1週間の間に精神症状があるか否か」であると言えるでしょう。もしも、月経終了後にも、何等かに精神症状が認められる場合は、PMDDではなく「精神疾患の月経前の悪化(premenstrual exaggeration)」である可能性が高いでしょう。
いずれの精神疾患であっても、生理のある女性の場合、月経前に症状が増悪する傾向があることが知られています。その代表的なものとしては、「うつ病(大うつ病性障害)」「躁うつ病(双極性障害)」「気分変調症(持続性抑うつ障害)」「パニック症(パニック障害)」「統合失調症」「注意欠如・多動症(ADHD)」などが、月経前には症状が悪化することが多いとされています。また、「境界性パーソナリティ障害」の患者様も、月経前には、問題行動やトラブルが、より出現しやすくなる傾向があります。
「あなたのPMDDのレベルをチェックしてみましょう」
月経前不快気分障害(以下、PMDD)と月経前症候群(以下、PMS)の両者の内、ご自身の辛さの程度はどちらにより近いものなのか、気になる方は少なくないでしょう。
そこで、以下の質問項目1~18の内、まずは当て嵌まるものをチェックされてみて下さい。
≪ブロックⅠ≫
1 月経前になると、集中力が切れやすい
2 月経前になると、ネガティブな気持ちになりやすい
3 月経前になると、落ち込みやすくなる
4 月経前になると、無性に食欲が出る
5 月経前になると、疲れやすくなる
6 月経前になると、眠くなりがちになる
≪ブロックⅡ≫
7 月経前になると、人の些細な言動に過剰に反応してイライラする
8 月経前になると、寂しくなったり、ふとしたことで泣いたりする
9 月経前になると、自分のことが嫌いになる
10 月経前になると、感情のコントロールが難しくなり、人間関係に影響を及ぼすことがある
11 月経前になると、仕事を休むことがある
12 月経前になると、家族や人に会いたくなくなる
13 月経前になると、未来に絶望し将来が不安で仕方なくなる
≪ブロックⅢ≫
14 月経前になると、死にたい、消えてしまいと思う
15 月経前になると、爆発的に怒ったり、人に暴言を吐いたり、時に暴力を振るうこともある
16 月経前になると、家族関係(親・兄弟姉妹・配偶者・子ども)が破綻しそうなことがある
17 月経前になると、自傷行為(リストカット・頭を壁にぶつける・首を絞める・薬を大量に飲む…等)をすることがある
18 月経前になると、破壊行為(ものに当たる・壊す・壁を蹴るなど)をすることがある
上記のチェックをされた時、あなたはどのブロック(ブロックⅠ~Ⅲ)にチェックがあった、または、チェックが多かったでしょうか?
★ブロックⅠのみにチェックがあった場合:今のあなたはPMSによく見られる状態のようです。生活習慣や食生活を見直すことで、今の症状は十分に改善できる可能性があります。
★ブロックⅠに加えて、ブロックⅡにもチェックがある場合:今のあなたは、PMSとPMDDの境界線にあるようです。これ以上、心や身体の負担が大きくなると、症状が悪化してしまう可能性があります。今すぐ生活習慣の見直しを始めましょう。
★ブロックⅠ、Ⅱに加えて、ブロックⅢにもチェックがある場合:あなたはPMDDの可能性があります。食生活や睡眠など生活習慣に乱れが出て、身体の機能が低下している可能性や、心に大きな悩みを抱えている可能性があります。いますぐ専門科による治療やアドバイスを受けることをお勧め致します。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』を引き起こす要因と対策とは?」
「月経前気分不快気分障害(以下:PMDD)」を引き起こす要因として、大きく3つ原因が考えられます。それが「体質」「脳機能」「心理面」の3つです。
まず、「体質」に原因がある場合としては、自律神経活動に変異があったり、エストロゲン受容体αに変異があったり、正常ホルモン値への異常があったりするケースが挙げられます。PMDDを発症しやすい女性は、自律神経の活動に対する過敏な反応が見られることが分かってきています。また、環境の変化に身体がついていくのに時間が掛かったり、様々な外部の刺激に敏感に反応されたりするなど、デリケートな体質の持ち主であることも多いと言えます。また、脳内には様々なホルモンを分泌、受容する器官がありますが、その部分に先天的な変異(形の変形)がある場合には、ホルモンの活動に異常が現れます。海外の文献においても、PMDDの患者様にのみ、そのような変異や異常がある、という報告もなされています。
上記のように「体質」に原因がある場合は、「自律神経を安定させること」が最優先になります。睡眠をはじめとした生活習慣を整えること、日光をよく浴びること、上手な呼吸の体得、場合によりましては、漢方薬の処方も有効になってくることでしょう。
次に、「脳機能」に原因があるものとしては、脳細胞の機能低下や内分泌異常が見られるケース、セロトニン含有量が少ないケース、運動機能低下や血流障害があるケースが考えられます。脳の機能は生活習慣の影響を受けると言われています。特に、栄養素が足りない場合は、脳細胞が正常に機能せず、ホルモン分泌も正常になされません。また、セロトニンというホルモンは脳内でも合成、分泌され、感情バランスに大きく関わる働きをしますが、この合成量が減ることで、うつ病を発症します。運動機能低下や血流障害に関しては、基本的には全身運動を行うと脳内の血流や脳内体温は上がるのですが、この運動が十分でないことで、脳内環境が著しく低下することが知られています。
上記のように「脳機能」に原因がある場合は「体組織を再構成すること」が優先されてきます。具体的には、きちんとした栄養素の摂取、直接糖の制限、運動機会を増やすこと、などが挙げられます。
最後は「心理面」です。過去のモヤモヤが解消されないまま来られてしまわれたり、現在過度なストレスを受けてしまわれたり…等の心の問題がPMDDを引き起こす原因となり得ます。特に、PMDDにおいて、激しい怒りや不安などが起きるキッカケとなるのは、この「心理面」に拠るところが大きいとも考えられています。
上記のように「心理面」に原因がある場合は「ストレスマネジメント」が重要になってきます。対人関係の改善、過去の囚われ、将来に対する不安などを、カウンセリング等を通して、一つひとつ解決させていかれることが望ましいでしょう。
当然ながら、ストレスフルな現代社会に生きる女性たちにとって、これら3つの要素のどれか1つが原因であるとは言い切れません。大抵の場合は、この3つ複合的に関連し合いながらPMDDを引き起こしていると言えるでしょう。
そうした意味において、今の生活習慣を見直されたり、ご自身の心理的な気になりを解決されていかれたりすることは、根本的なPMDDの治療において、不可欠であるとも言えるのです。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』にSSRIは使われますか?」
「月経前気分不快気分障害(以下:PMDD)」の治療法として、有効性の高いとされる、所謂“エビデンス・レベルの高い報告”は、その殆どが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(以下:SSRI)で占められているのは事実です。
そのSSRIの中でも、セルトラリン、パロキセチン(特にCR錠)の2剤が高いエビデンス、次いで、エスシタロプラムも上記の2剤ほどではありませんが、比較的高いエビデンス・レベルが示されています。フルボキサミンの有効性については、これら3剤に比べると、やや劣る傾向があるようですが、こればかりは患者様との相性もありますので、一概には言い難い側面はあります。
なお、これらセルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、フルボキサミンは、全て「SSRI」の分類に入る薬剤です。SSRIは本来「抗うつ薬」として使用されることが最も一般的であると言えるでしょう。ただ、以前同コラムに記載させて頂きましたように「PMDDを一言で表現すると、“月経の前ごとに(非定型)うつ病を呈する疾患”」といえますので、ここで抗うつ薬の代表格でもあるSSRIが使用され奏功するのも、納得できる現象だと言えるでしょう。
「『月経前不快気分障害(PMDD)』の方にお勧めの食材とは?」
月経前不快気分障害(以下、PMDD)の方は、排卵後と月経直前のエストロゲン(女性ホルモン)の急激な減少時に、セロトニンも急激に減少することが知られています。そしてそれが、毎月生理前に非定型うつを引き起こす原因にもなっています。よって、PMDDにお悩みの方は、セロトニンを意識的に増やす取り組みが必要になってきます。
セロトニンを増やすには、日光を浴びることや、リズム運動(ウオーキングも含む)が有効であることが知られています。他にも、栄養療法で増やすことも可能です。
栄養療法でセロトニンを増やすためには、セロトニンを作る主な6つの栄養素を意識的に摂取されることです。それらは、トリプトファン、ビタミンB6、鉄、ナイアシン、葉酸、マグネシウムの6つを指しています。
トリプトファンは、肉や魚、大豆製品(豆腐・納豆・味噌など)をはじめとしたタンパク質の多い食材に含まれていますので、タンパク質をしっかりと取られた、バランスの良い食生活を心掛けるようにされて下さい。加えて、「バナナ」にはセロトニンを合成する6つの栄養素が全て含まれていますので、ぜひお勧めしたい食材です。
炭水化物も適度に摂取することで、トリプトファンの脳内への吸収が上がることが実験で判明しています。平均的な食事をされていれな、1日に必要な炭水化物量に問題はありませんが、ダイエット目的で炭水化物を抜く食生活や、「ローカーボ」的な食事は、セロトニンがより必要とされるPMDDの方は、出来るだけ避けて頂いた方が賢明でしょう。
「PMS・PMDDと『更年期障害』の関係性とは?」
PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、あるいは生理痛(余りにも酷い場合は「月経困難症」という病名がつきます)で毎月お悩みの女性の方は、決して少なくはないでしょう。
女性の場合、一般に「49歳前後(以前記載しました“7の倍数”)」で閉経を迎えると言われております(当然ながら個人差はあります)。そして、閉経によって生理がこなくなることで、「ラク」になる方と、そうでない方がいらっしゃられます。
大体の傾向としまして、生理中の生理痛やそれに伴う様々な不定愁訴(「月経困難症」タイプの方)は、生理が終わることで、一気にラクになることが多いと言えるでしょう。何故なら、生理痛も月経困難症も、「生理があること」で生じていた身体的な悩みであったからです。
一方、PMSやPMDDタイプの方は、上記のタイプとは真逆になりやすい傾向があります。何故なら、PMSやPMDDの方は、「生理開始」によって、一気に心身の様々な不調が緩和されてこられた方だからです。
よって、閉経によって、生理が来なくなるということは、PMSやPMDDの際に感じられていたお悩み(例:イライラ・抑うつ・不安感・頭痛・肩こり・倦怠感…等々)がそのまま「更年期障害」として持ち越されてしまうことに、他なりません。
安易に「生理がなくなるとラクになる」、あるいは「更年期障害は、誰にでも起きる仕方ないこと」等と考えてはいなかったでしょうか。閉経までまだ時間がある若い方であっても、PMSやPMDDの傾向がある方は、早め早めの治療や体質改善が肝要となってくるのです。
まずは、婦人科での治療がファーストチョイスとなるかと思われますが、PMS、PMDD、更年期障害の治療は、漢方薬など用いることで、心療内科で行うことも可能です。特に、若い女性の方だと、婦人科治療に抵抗感を持たれる方も少なくはありませんので、頭の片隅に留めておいて頂けましたら幸いです。
「発達障害とPMS、PMDDとの関連性」
PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)は、それ自体単独でも、女性にとって大変辛いものです。しかし、発達障害(自閉スペクトラム症やADHD)をベースとして持たれている場合、それがより一層深刻なものになりやすいことが知られてきています。
自閉スペクトラム症(以下、ASD)の女性の場合、月経前に本来持っている“過敏性”が増すことが知られており、それに伴う感情の起伏が激しくなるようです。このため、イライラや怒り、対人関係の摩擦が増大します。ADHDの女性の場合は、月経前に本来持っている“衝動性”が亢進するために、イライラや易怒性が増すと言われています。
実際、PMS(月経前症候群)の方は意外と多く、50~80%の女性に見られると報告されています。しかしながら、治療が必要と自覚されている患者様は、3~7%程度に留まっているそうです。PMSの場合、産婦人科クリニックでは一般的に、女性ホルモンによる身体症状に対する治療から開始されることが多いため、第一選択肢として漢方薬による漢方療法、それでも効果が出ない場合は低用量ピル治療があります。
また、PMSの場合、上記のような薬物療法以外にも、食生活の改善(朝食をしっかとる、塩分を控える、ビタミンやミネラルを摂る)、有酸素運動をする、嗜好品(カフェインやアルコール、タバコ)を控える、睡眠を充分にとる等、日常生活のコツコツとした改善がかなり有効と言われています。
ここまでされても効果が出ない場合、PMDD(月経前不快気分障害)である可能性も考えられ、その場合は、メンタルクリニックで処方される投薬の方が、効果の期待が出来る場合もあり得ます。そして、今までどのような投薬治療を受けられたことがあるかを、きちんと医師に伝えることも非常に大切です。
出展・参考文献
月経前深い気分障害(PMDD) エビデンスとエスクペリエンス 山田和男著 星和書店
http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo05/bn897.html
産科婦人科学会HP https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13
PMSナビ https://pms-navi.jp/