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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
平日の睡眠時間を短くするため、休日などに「寝だめ」をしておけないか、と考える方は多く存在します。しかし、結論から言うと、寝だめは出来ません。…というのも、私たちは目覚めている間に脳にたまった睡眠物質を、睡眠によって分解しているからです。睡眠物質をゼロには出来ても、それ以上に眠りためておくことは出来ないのです。それどころか、休日に長く眠り過ぎると、体内時計がくるい、却って睡眠の質を下げてしまいます。
それとは別に、元々6時間未満の睡眠で充分な人もいます。それが「ショートスリーパー(短眠者)」と呼ばれる人たちで、日本人での割合は「5~8%」と言われています。反対に、9時間以上眠る人は「ロングスリーパー(長眠者)」と呼ばれ「3~9%」存在します。全体では、6~9時間睡眠の人が「80~90%」を占めており、「バリアブルスリーパー」と呼ばれています。
スタンフォード大学の調査によると、ショートスリーパーは特異体質であり、遺伝子で決まることが分かっています。この遺伝子を持つ人は、全体の1%未満であり、一般の人に同じ真似は出来ないため、それ以外でショートスリーパーと呼ばれる人は、質の良い睡眠や、分割睡眠などで、睡眠を補っています。ショートスリーパーとして有名なナポレオンやエジソンですが、彼らは夜の睡眠は3~4時間ほどであった代わりに、日中に昼寝や居眠りをしていたそうです。
以下に、睡眠時間による3つの睡眠タイプの特徴を挙げておきます。
Ⅰ.「ショートスリーパー」
・日本人では5~8%存在。
・睡眠時間が6時間未満。
・有名人の例:ナポレオン、エジソン、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
・ポジティブでエネルギッシュ。仕事や遊びに意欲的で、マルチタスクに向いている傾向がある。
・遺伝子的なショートスリーパーは、全体の1%未満。
・それ以外のショートスリーパーは、睡眠の質を高めたり、昼寝などの分割睡眠をしたりすることで睡眠を補っている。
Ⅱ.「ロングスリーパー」
・日本人では3~9%存在。
・睡眠時間が9時間以上。
・有名人の例:アインシュタイン
・内向的で創造的。一人の時間を大切にする。細部まで注意が行き届く傾向がある。
・無理に分割睡眠をしようとすると、却ってパフォーマンスが低下する。
・睡眠の質が低いために、スッキリと目覚められず、長時間眠ってしまっているバリアブルスリーパーである場合もある。
・理由は解明されていあいが、遺伝や体質に拠るものと考えられている。
Ⅲ.「バリアブルスリーパー」
・日本人の80~90%がバリアブルスリーパー。
・バリアブル(=変化しやすい/variable)の名前の由来は、睡眠時間を削ったり延ばしたりしやすく、ショートスリーパー、ロングスリーパーに転じる可能性があるため。
・判断目安は、1日に6~9時間の睡眠で、日中に問題なく活動できるかどうか(その場合、午後2時~4時の眠気はあってOK。体内時計の仕組みから自然と訪れる眠気のため)。
当院では睡眠障害(不眠症)をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、適応障害、パニック症、
心身症、自律神経失調症、摂食障害(過食症)、不安症、
月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
統合失調症、強迫症、過敏性腸症候群(IBS)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。