A.
医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
不安症の治療では、精神療法(心理療法)である「認知行動療法」と薬を用いて症状を軽減する「薬物療法(投薬治療)」があります。
不安症の薬物療法では、神経伝達物質であるセロトニンを増やす作用のある抗うつ薬「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」が有効であることが知られています。但し、SSRIは、効果が出てくるまでに2週間程度掛かります。そこで、短時間で効果が出て、不安や緊張を緩和させる「抗不安薬」を処方し、不安が強い時に頓用で服薬(症状に応じて服用すること)してもらうケースがよくあります。
副作用としては、抗うつ薬(SSRI)では、患者様によって初期に、吐き気などの消化器症状や、眠気、めまい、肝機能異常が見られることもあります。抗不安薬では、眠気やだるさ等の症状が見られることがあります。また、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系の薬剤)には依存性があることが知られており、長期連用はされない方が良いでしょう。なお、SSRIは、服薬を自己判断などによって急に止めてしまと、症状の再発や離脱症状が起きる場合があるため、不安症の症状が改善してきた際には、勝手に薬を止めるのではなく、主治医の先生の指示に従って、少しずつ薬の量を減らしていくことになります。
そして、不安症の治療として、薬物療法(投薬治療)と併用して行われるのが「精神療法(心理療法)」です。薬物療法と異なり、精神療法は副作用などの心配がなく、思考を根本から前向きなものに変えていく効果があるため、一旦身に付くと再発リスクが大きく低減されるメリットがあります。但し、薬物療法のようにすぐに効果が現れる訳ではなく、精神療法を継続していくためには、患者様ご自身の血良い意志と根気、高いモチベーションが欠かせません。
不安症の精神療法としては、「認知行動療法」や、「エクスポージャー法(曝露反応妨害法)」などがよく使われています。最も広く行われており、かつ有効性が認められているのが、「認知行動療法」であり、問題の「核(根本)」となる考え方や行動の癖やパターンを自覚・修正・再構築することで、回復を目指します。
「エクスポージャー法(曝露反応妨害法)」とは、敢えて苦手とされる状況に身を曝し(さらし)、少しずつ慣れていくことで、克服を図る治療法です。なお、「エクスポージャー法(曝露反応妨害法)」を行う前に、咄嗟にリラックス状態に身をおける、何等かのリラクゼーション法を先行して習得しておくことが推奨されています。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、不安症をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、適応障害、強迫症、
睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、心身症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、
摂食障害(過食症)、統合失調症、パニック症、
過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。認知行動療法をはじめとしたカウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。