この記事では心療内科を受診しようか悩んでいる…🤔、心療内科ってそもそもどんな人が行くところなの?などといった心療内科に関する様々な疑問に看護師である私がお答えしていきます。
実は私は以前、看護師の仕事のストレスや不規則な生活習慣などからメンタルバランスを崩し軽い鬱状態になったことから心療内科を受診したことがありました…😭
初めて心療内科を受診する時は、「そもそも心療内科ってどんなところなんだろう…🫤」「うまく自分の症状を伝えられるかな…?」「これくらいの症状で受診して良いのだろうか??」などたくさんの不安がありました。
看護師としての側面だけでなく、患者として受診した経験も基に、皆さまの不安や疑問を解決していければと思います!
最後までお付き合いお願いします🙇♀️
《心療内科とは?》
そもそも心療内科とは、「緊張やストレスなどの心理的な影響が原因で起こる身体の疾患(心身症)を従来の身体的な治療のみならず、併せて心理面での治療やケアを行うことを目的とした心身医学を母体とする診療科」と厚生労働省ホームページのe-ヘルスネットにて解説されています。
つまり、精神科はうつ病や統合失調症などといった心の病を治療するのに対し、心療内科は心理的な影響からくる身体症状(頭痛、嘔気、腹痛、下痢など)を治療する診療科となっております。
最近では、精神科と心療内科を併せ持つ病院やクリニックが多いため、「精神科と心療内科どちらを受診すると良いのだろう…?🤔」と悩んだ場合はどちらも併せ持ったクリニック等を受診するのがおすすめです🙆♀️
また、どうしても悩む場合は病院に「このような症状があるのですが…」と問い合わせてみるのも良いかと思います。
《どのような疾患の方が受診するのか?》
次に、どのような方々が心療内科を受診しているのか説明していきます。
前述のとおり、心療内科では「心身症」の治療を行っていきます。
心身症とは、精神的なストレスなどからくる身体的な症状や疾患のことを表しており、主に以下のような疾患・症状の方が心療内科を受診することが多いです。
- 過敏性腸症候群:便秘や下痢を繰り返したり、腹痛やお腹の不快感が繰り返し起こる疾患です。はっきりとした原因が見つからないにも関わらずこれらの症状が続く場合に診断されることが多いです。
- 機能性ディスペプシア:胃カメラなどで異常が認められないものの、胃もたれや胃の痛み・不快感・灼熱感などを感じる疾患です。原因としては
- 不規則な生活リズムや運動不足による胃腸の動きの乱れ
- 喫煙・アルコール・脂っこい食事や不規則な食事などによる刺激
- ストレスなどで胃腸が知覚過敏になり、ちょっとした胃の動きで痛みや不快感を感じてしまっている
- などといったことが挙げられます。
- 本態性高血圧症:高血圧症のうち原因が分からないものを指します。高血圧症の大半がこちらの原因不明な本態性高血圧に分類されます。明らかなストレスなどの心当たりがある場合には心療内科でメンタル面のアプローチも行なっていきます。
- 頭痛:頭を締め付けられるような痛みや後頭部から首・肩にかけて生じる緊張型頭痛、こめかみの辺りなどがズキズキと脈打つように痛くなる偏頭痛などはストレスが要因の一つと考えられています。
- 疼痛性障害:身体の特定の部位で原因不明の疼痛が生じるものです。
- アトピー性皮膚炎:皮膚のバリア機能が低下しかゆみや湿疹を繰り返す皮膚炎です。ダニ、ホコリ、発汗などやストレスが悪化の要因となると考えられています。
これらの疾患はどれも内科や消化器科、脳神経科などでの治療が可能ですが、心療内科では内科などでも行われる治療や検査にプラスしてカウンセリングなど心のケアも同時に受けられるといったメリットがあります🙆♀️
ちなみに、私はストレスからくる頭痛がつらく、心療内科で相談させてもらいました。
頭痛についてだけでなく、抱えているストレスや悩みなどをゆっくりと聞いてもらえたのがとても良かったと感じています👍
《このような症状があればすぐに受診しましょう!》
精神科・心療内科どちらでも構わないので早急に受診すべき症状を次に挙げました。
- 死にたい、自殺したい、消えてしまいたいと考えたことがある
- 実際に飛び降りようとした、手首等を切ろうとした
- 他人を殴りたい・殺したいなど他人に害を加えたい願望がある、実際に殴ってしまった
これらの症状はどれも自分や他人の命を脅かす危険性のある症状です。
「病院行かなくったってもう少し頑張れば大丈夫」などとは決して思わず、状況に応じては夜間でも精神科の救急・時間外受診も検討する必要があります⚠️
《これらの症状の方も受診をおすすめします》
今すぐ命の危険があるわけではないけれど、早めに受診した方が良い症状はこちらです。
- ちょっとしたことでひどく落ち込んでしまう、仕事などの意欲が湧かず、以前楽しめていた趣味なども楽しめなくなっている、自分には価値が無いように感じるなどといった心の症状
- 食事が喉を通りにくくなり小食になった、反対に以前よりもものすごく大量の食事を摂取するようになった、食後嘔吐しているなどといった食事に関する症状
- 数日間お通じが出ていない、腹痛や胃の痛みが辛いなどといった消化器系の症状
- 寝つきが悪い、眠れない、夜中に何度も目が覚める、早朝に目が覚めてしまうなどといった睡眠に関する症状
- その他心身症が疑われる身体的な症状
一般的には、これらの症状が2週間続くようであれば受診した方が良いとされていますが、これらの症状が辛く、生活に支障をきたしてしまうようであれば、早めに受診しても大丈夫です。
心療内科の治療も他の科の疾患と同様に早期治療により早期改善が期待できますので、無理せず我慢せず早めに受診しましょう。
また、心身症になりやすい方の特徴として、自分の感情・ストレスに気が付きにくい人(失感情症・アレキシサイミア)といったものがあります。
つまり、心は大きなストレスやダメージを負っていても本人は気が付かず、身体の不調が出てから「なにかおかしい?」と気がつくといった感じです。
ストレスなどの心当たりがなくとも、検査しても原因の分からない身体症状が続いている場合は、一度心療内科を受診してみると良いかもしれません🙆♀️
《受診する前にやっておくと安心なこと》
初めて心療内科や精神科を受診するとなると、「どんな雰囲気なんだろう…?」「料金は…?」「ちゃんと症状を説明できるかな…」などなど不安なことも多いですよね💦
そこで、私が不安を軽減するために受診前にやっておいて良かったなと感じたことを紹介いたします!
①病院選び
まずは受診する病院を選ぶところから始まります。病院選びのポイントは次の通りです。
- 継続して通えるか?
心療内科は、慢性的な症状や疾患を取り扱っていることが多く、大抵の場合は何度か継続して通って症状にアプローチしていきます。
それは数ヶ月に及ぶことが多いため、数ヶ月後も(雪が降る冬になっても、熱中症の危険性が高い夏になっても)通い続けられそうな場所か、数ヶ月先まで見通して考えてみることをおすすめします。
また、立地だけではなく診療時間のチェックも重要です。平日の日中しかやっていない病院だと忙しい会社員の方は受診が難しいでしょう。夜間診療や休日診療もやっているか?夜間診療に通うとしたら、仕事終わりでも間に合う時間帯までやっているのか?この先もし残業が増えたり、ライフスタイルが変わって忙しくなっても通えそうか?といったことも考えて探してみましょう。
- ホームページや口コミなどから感じる雰囲気はどうか?
個人的にはここが1番重要でかつ、調べておくと安心できるかなと思います。精神科や心療内科のホームページにはそこの医師が記載したコラムなどが書かれていることが多いので、気になった記事を読んでみましょう。その際に、そのコラムから患者様を思いやっている優しさが感じ取れるか?言葉がなんだか高圧的に感じられるなどの違和感が無いか?といった点を確認してみましょう。
また、そのようなコラムなどが無い場合は口コミサイトやgoogleマップの口コミもチェックしてみるのがおすすめです。実際に治療を受けた患者様の声が読めるので参考になります。
しかし、口コミを参考にする際の注意点が2点あります。
1.口コミが古いものではないか?
口コミの中には数年前に書かれた古いものが多くあります。数年の年月が経過していればその口コミに書かれている対応をしたスタッフはもういらっしゃらない可能性がありますし、いたとしても人柄が変わっている可能性もあります。
口コミを参考にする際にはなるべく日付が新しいものを参照しましょう。
2.その口コミが極端な解釈のもとに書かれたものではないか?
どのような施設の口コミでも同じですが、精神科や心療内科では特に、認知の歪みが生じていて他の人にとってはなんでもない対応がひどく不快な対応に感じ、それを感情の向くままに記載されていることがあります。その口コミが本当に参考になるものなのか確認するためには、文面が感情的になっていないか、他の口コミにも似たような対応をされたと記載されている人はいるか、といったところを確認しましょう。
- おおよその料金は書かれているか?
個人的には料金が記載されている方が安心なので項目に入れましたが、ホームページなどに記載されていない場合は予約時などに問い合わせてみても良いでしょう。
- 予約方法は簡便か?予約は取りやすいか?
精神科や心療内科は予約制であるところがほとんどです。予約の方法には、電話予約やネット予約などがありますが、中には「月曜日の◯時〜◯時に電話で」などといった特定の時間にしか予約を受け付けていない病院もあります。今後数ヶ月に渡り通い続けるのであれば、予約がしやすい方が通うためのハードルも下がり通いやすくなるため、自分に合った予約方法かといったところもチェックしておきましょう。
ちなみに、私は電話がとにかく苦手なので、ネット予約やメール予約ができる病院を選びました。24時間いつでも思い立った時に予約ができ、「電話しなきゃいけないの嫌だなぁ」といった憂鬱感もなかったので、電話が苦手な方にはすごくおすすめです👍
②予約をする
上記を参考に、自分に合いそうな病院を見つけたら予約をとりましょう。
精神科や心療内科は予約制であることが大半です。予約や事前連絡をせず飛び込みで病院を訪れても受診できない可能性があります。ホームページなどに「予約不要」などと明記されている場合を除き、必ず予約するようにしましょう。待ち時間が短くなるといったメリットもありますよ👌
③症状についてメモしておく
口頭で自分の症状を整理してお話しできる方はわざわざ事前にメモなどを作る必要はないかもしれません。
私はお話しがあまり得意ではなく、うまく症状の経過を説明できる自信がなかったため、あらかじめ文章として書き起こし、整理してから病院に向かいました。
メモを作っておけば、もし仮に先生の前でうまく喋られなくなってしまっても、メモを見せると伝わるのでおすすめです。
私は次のような内容をメモして病院へ向かいました🏥
- いつから、どのような症状があるのか
- それが生活にどのような支障をきたしているのか
- 治療や検査などについて何か希望があるか
診察では、おそらくはじめに「今日はどうされました?」などざっくりとした質問をされると思うので、まずはいま1番困っている症状などを伝えられるようにしておくと良いです👌
他にも夜眠れているか?ご飯は食べられているか?などといったことを聞かれると思うので準備しておくと良いでしょう🙆♀️
もちろん話したくないことなどは無理に話さなくても良いですし、うまく答えられない質問は「自分でもよく分からないのです」と正直に答えてしまって大丈夫なので安心してくださいね。
④持ち物の準備
行きたい病院を見つけ、予約をし、症状を伝えられるよう整理したら、あとは予約の日を待ちましょう💡
次に予約当日の持ち物をまとめました。
- 現金
- 保険証
- 普段飲んでいる薬があれば、お薬手帳又は飲んでいる薬そのもの(薬剤名やいつ飲んでいるのかが分かるもの(薬袋など)も一緒に)
- 自立支援医療受給者証などの各種医療証(ある場合)
- 後期高齢者医療被保険者証(ある場合)
- (他の病院から転院する場合)紹介状など転院元の病院が記載したお手紙
- 《受診の流れ》
ここでは当日の受診の流れをざっくりと説明していきます。
- 受け付け クリニックの窓口で自分の名前を伝えましょう。
- 問診表の記載 受付後、問診票が渡されると思うので記載します。
- 問診票の提出・呼ばれるまで待機
- 医師又は担当スタッフとの面談・問診
- 必要に応じて検査など
- 会計の支払い
- 処方があれば、処方箋を持って薬局へ行き、薬の受け取りと薬分の会計
病院によって少々ながれが変わるとは思いますが、大抵の場合このような流れで受診がすすむと思いますので参考になさってください。
《受診後の過ごし方》
お疲れ様でした!
初めての受診は緊張や疲れが溜まっているかと思うのでゆっくりと休みましょう。
そして、受診後にやっておくといいなと思うことが一つあるので紹介します。
それは、医師の話していたことやアドバイス、自分が診察中に感じたこと・考えたことなどをメモに書き出してアウトプットしておくことです。
診察やカウンセリングの際に先生から何かアドバイスをもらったり、診察中に「これからはこんなことを生活の中で意識してみようか」などふと考えたことがあれば、診察後早いうちにメモしておくことを習慣にしましょう。なぜなら、時間が経てば経つほど内容を忘れていってしまうからです😥
わざわざ紙とペンを出さなくてもスマホのメモ機能などでもOKです📝
私の場合は、診察終了後の薬局での待ち時間などを活用してメモをとっておくことを習慣化していました。
そうすることで、カウンセリングによる医師からのフィードバックやカウンセリング中の自分の気づきなどを忘れることなく生活に取り入れることができ、結果として何もしないより回復も早くなったのではないかと考えています。
《終わりに》
心療内科とは何か、どのような方が受診するのか、どのような流れで受診するのかなどといったことを書かせていただきました。
初めて心療内科を受診する際は不安や疑問もあるかとは思いますが、この記事を参考に少しでも不安を減らして受診して頂ければ良いなと思っております。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
参照元
1] https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-087.html
2] https://medicalnote.jp/diseases/心身症
3] https://medicalnote.jp/contents/160608-004-NZ?p=2