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味わうことには、人生のポジティブな面に気づいて感謝することがあります。ポジティブなことを取り入れ、じっとそれを感じ続けて、そして手放します(=「マインドフルイーティング」)。これはある意味「楽しむこと」以上の経験であり、味わうこととは、楽しむという経験にマインドフルに気づいていくことです。つまり、良いことが起こっている最中に、良いことが起きていると気づいていくことに他なりません。
人間には、良いことを見逃しやすく悪いことに注意を向けやすい傾向が備っています。それならば、楽しみをもたらしてくれることに対しては、より意識的に注意を向ける必要があるということです。幸いにも、「味わう」というのは、新鮮なリンゴの酸味やみずみずしさに気付いたり、コーヒーの深く包まれるような香りに気付いたり、かき氷を口に入れた瞬間のキーンと頭が引き締まるような感覚に気が付いたり…といった、比較的シンプルな実践です。そのようなポジティブな経験に気付いて、暫く感じ続けるだけで、「幸福度」が大幅に上がることは研究で示されています。
マインドフルネスに本格的に摂り組まれる前に、ぜひ一度「チョコレート瞑想」を実践さえてみられることが推奨されています。チョコレート瞑想では、食べるチョコレートに“積極的に関わる”ことが求められます。もしかするとチョコレート瞑想を行うことで、驚くような発見があるかもしれません。
★【チョコレート瞑想】★
まずは、チョコレートを幾つか選んで下さい。出来れば、今までに食べたことのないタイプのチョコレートか、最近食べていないタイプのチョコレートが良いでしょう。暗い色のものでも、何かしらの風味がするものでも、オーガニックのものでも、フェアトレードのものでも構いません。でも、あなたが滅多に食べないタイプのチョコレートを選んでみましょう。
① チョコレートのパッケージを開けます。その香りを嗅いでみます。
② チョコレートを割り、それを見てみましょう。隅々までじっくり見ます。
③ チョコレートをひとかけら、口に入れてみます。舌の上にチョコレートを乗せ、できるだけ舌を動かさないようにして、チョコレートが溶けるのに任せるようにしてみます。そうすると、それを飲み込もうとしてしまう自分に気付くかもしれません。チョコレートには300種類以上の異なったフレーバーがあります。その内のいくつかを感じることが出来たでしょうか。
④ もし、「チョコレート瞑想」をしている間に自分の心がさまよっていることに気付いたら、優しく今この瞬間に戻ります。
⑤ チョコレートが完全に溶け切った後、それをゆっくりと飲み込みます。チョコレートが喉を通っていくのを感じてみます。
⑥ 以上、同じことを繰り返し行なってみましょう。
……どのように感じましたか。いつもと違っていましたか。普段チョコレートを食べる時よりも、チョコレートをより感じることが出来たでしょうか?
躁うつ病(双極性障害)、適応障害、パニック症、
睡眠障害(不眠症)、心身症、自律神経失調症、
摂食障害(過食症)、統合失調症、更年期障害、
月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群(IBS)、強迫症、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、カウンセリング及びショートケアを実施しております。カウンセリング、またはショートケアをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。
★参考文献:佐渡充洋・大野裕監修「自分でできるマインドフルネス」、富田拓郎監訳「マインドフルネス・セルフ・コンパッションワークブック」
★参考HP:「明治 ザ・チョコレート」で“マインドフルイーティング”を始めよう