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【心療内科Q/A】「大人の発達障害です、『メンタライゼーション』って何なのでしょうか?①」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

 

発達障害、特に「自閉スペクトラム症(以下、ASD)」について

調べていらっしゃられると、

「メンタライゼーション(心の理論)」という言葉に出会うかもしれません。

メンタライゼーション(心の理論)とは、

「相手の立場に立って、意図や気持ちを理解する能力」を指しており、

「共感性」とも関係してくる能力であると言われています。

そして、ASDの方が「相手の意図や気持ちを理解することが苦手」なことと、

大きく関連してくる能力・特性であると言えるでしょう。

 

 

 

定型発達のお子さんでは、4歳ごろには「心の理論」の能力が確認される一方、

ASDのお子さんは、それが8歳以降にまで遅れます。

そうした遅れの影響は、大人になっても残ることが多く、その結果、

自分の視点を離れて、相手の意図や気持ちを汲み取ることが苦手になりやすい、

と言われています。

 

 

この「心の理論」は、発達と共に、更に高度な能力に姿を変えていきます。

その一つは、その人だったらどのように行動するかを想像する能力です。

こういった状況におかれると、人はどんな気持ちになり、

どういう行動をしてしまいやすいかといったことや、

そのときどういう助けが必要かといったことまで想像し、

思いやるという能力が養われていくのです。

そして、この心の理論は、日々の社会的経験の中で鍛錬されていき、

より高度な「社会的想像力」や「共感能力」へと育っていくのです。

 

 

この「社会的想像力」と関係してく事柄が、

比喩を理解したり、ユーモアや冗談を解したりすることです。

これらの表現では、

“文字通りの意味”と“表現しようとしていること”とが異なりますが、

ASDの方の場合、“文字通りの意味”のみで受け取ってしまい、

話が通じなかったり、笑えばよいことに対して憤慨してしまったり、

……といったことが起こり得るのです。

 

 

「(場の)空気は読めない」ということも、

この「社会的想像力」の能力が欠如していることに他なりません。

とある場面において、相手や周囲が自分に期待していることや、

求めていることが分からず、よってそれに相応しい行動が取れません。

この「(場の)空気を読む」能力は、心の理論に加え、

長年の経験の蓄積を加味することでようやく手に入るものです。

よって、一朝一夕ですぐにどうにかなる能力ではありませんが、

近年では様々なプログラムが開発されてきており、

こうした能力も学習したり訓練したりすることが可能になりつつあります。

 

 

具体的に言いますと、まずは行動の原理・原則を学ばれると共に、

この特定の場面ではどういう行動が期待されるかを、

一つひとつ具体的に学習し、実践をしていきます。

即ち、行動のレパートリーやパターンを増やして蓄積していく訳です。

ご自身の「苦手とされる特定の場面や状況」は、

人によっては案外共通するパターンが見い出せることもあり、

時として、意外と少ない行動のレパートリーを追加するだけでも、

行動上の失敗やトラブルが大幅に軽減することもあり得るのです。

 

 

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください

 

 

当院では、大人の発達障害(ASD、ADHDを含むをはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、

睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。