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【心療内科Q/A】「職場で部下に『勇気づけ』をするには、どうすれば良いのでしょうか?」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

専門的に言うと、特に「勇気づけ」の声掛けによる上司から部下へのラインケアは、「アドラー心理学」「ポジティブ心理学」を応用したものになります。「アドラー心理学」においては、全ての不適切な行動の原因は、その人が勇気や自尊感情を失っているからだと考えています。

 

 

そして、普段から上司-部下間の信頼関係を築くことが基本であり前提です。急に評価をしても相手の心には響きません。日頃から適切なマネジメントをし、よく部下のことを見ているからこそ、部下の貢献や努力が分かるのです。その上で、自分自身をしっかりとコントロール出来ている上司が、部下が職場で能力を発揮できるように、勇気づけることが出来るのです。

 

 

勇気づける(encouragement)は、アドラー心理学に拠れば、広い意味では「気(ドイツ語ではムート・ガッツ)を与えること」、ポジティブ心理学では「ワーク・エンゲイジメント(仕事への肯定感情や態度)」です。

 

 

勇気づけられると、自尊感情が増加し、精神健康(メンタルヘルス)に良い影響を与えます。れに対して、「励ます(元気を与える)」ことは、一見、部下にプラスのエネルギーを与えているように見えますが、ややニュアンスが異なります。励ますことは簡単にできますが、勇気づけるためには、まずリーダー(上司)自身が模範を示していないとできないことだからです。

 

 

期待されるとプレッシャーになりますが、勇気づけられると、嫌なことであってもチャレンジしてみようかというモチベーションを増加させることになります。勇気づけるということは、「部下の気持ちや心を操作すること」ではないのです。まずは自分自身に沢山の勇気づけをされた上司が、部下に部下自身を勇気づけるようになる影響を与えることが出来る、と考えると良いでしょう。

 

 

具体的には、上司-部下の関係を、「恐怖や支配による関係」ではなく、「信頼と勇気づけによる関係」にすることです。こうすることにより、部下の存在そのものを肯定し、部下の自尊感情欲求が満たされることに繋がり、部下の活力、熱意、集中力を向上させることになるのです。

 

 

一方、自尊感情欲求が満たされていないと、ストレス耐性が減少して、メンタル不全への引き金にもなりかねません。これが、勇気づけによる声掛けによるメンタルヘルスケアが必要な理由です。このアプローチは、うつ病へのスパイラルを防止し、逆に職場全体の「心の健康」の上方のらせん階段をのぼることに繋がるのです。

 

 

 

当院では、うつ病適応障害をはじめ、

躁うつ病(双極性障害)、不安症、強迫症、

睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、心身症、

パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っておりますカウンセリング(心理療法)をご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。