A.
医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「抑うつ症状」を表す漢方(中医学)の概念で、恐らく最も近いものは「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」の状態かと思われます。
私たちの「脳」は、体重の2%程度の重さしかないにも関わらず、1分間に700mlもの血液が循環し、基礎代謝量の20%のカロリーと酸素消費量の25%を必要とする、非常に“大食らいな臓器”なのです。
よって、栄養や酸素が不足すると、機能低下を起こしてしまい、「やる気が出ない」「何もせずに時間ばかりが経ってしまう」といった心身の不調に繋がります。
「心脾両虚」状態になると、以下のような症状が出てきます。
□ 物忘れが激しい
□ 人の話が理解できない
□ 不安感
□ 不眠・眠りが浅い
□ 寝過ぎ・常に眠い
□ 疲れやすい・疲れが取れない
□ 食欲不振
□ 甘いものが欲しい
□ 便秘、または下痢
□ (女性なら)経血量が多い
また「心脾両虚」状態の時、身体の状態は以下のようになっていることが考えられます。
● 食べた物を正しく吸収できず、血液中の栄養が不足、あるいはバランスが悪くなっている。
● 貧血、低血圧、高脂血症などによる血行不良により、血液が脳に届きにくくなっている。
ですので、心脾両虚の時には、脳の栄養状態を整えることが大切になります。具体的には、胃腸機能を向上させ、血液の量や質を改善し、脳に栄養が届きやすくすることが大切になります。
◎ 消化に良い食事を、よく噛んで食べること
◎ 質の良い睡眠を取ること
◎ 軽めでも良いので運動をして、血行を良くすること
……これらのことが、私たちの日常生活の中で出来る心脾両虚時の養生法だと言えるでしょう。
勿論、対症療法や即効性を求める時には西洋薬が大変有用です。それに加えて、漢方薬を併用することで、西洋薬による対症療法のみならず、漢方薬による根本治療も可能になります。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、
心身症、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
パニック障害、自律神経失調症、冷え症、
摂食障害、月経前症候群、更年期障害、
統合失調症、強迫性障害、過敏性腸症候群など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。