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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
発達障害、特にグレーゾーンの方の場合、
その特性の現れ方と症状が一見近似している疾病(精神疾患)というものは、
確かに存在しています。
「殆どの精神疾患は“不適応”がベースにあるため、併存とまではいかなくとも、その方のベースに何かしらの発達の偏りがある」
……と提唱する説があるほど、時として近似性を見せることもあります。
発達障害の特性の一部と、疾病の症状とが近似している精神疾患として、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、統合失調症などが挙げられます。
具体的にどのような近似性が見られるか、以下にその詳細を記載いたします。
□ うつ病:発達障害のストレス反応や疲弊状態と、うつ病の抑うつ状態が近似しています。本来のうつ病であるならば、うつ病に対する投薬治療を受けることで改善していきます。また、発達障害の二次障害としてうつ病になることもあります。
□ 躁うつ病(双極性障害):発達障害と、躁うつ病の躁状態が近似しています。躁状態は、特にADHDの多動性・衝動性と一見すると似ており、かつ抑うつ状態も、上記のうつ病の抑うつと同様、混同されてしまいがちです。また、躁うつ病と発達障害は併存することもあるため、なお一層診断が難しくなるのです。
□ 統合失調症:発達障害においては、統合失調症に見られるような典型的な幻覚・幻聴・妄想はありません。しかし近年、統合失調症も、発達障害と同様、「スペクトラム(連続体)」として考えられるようになってきており、統合失調症の方でも、これら典型例には合致しないタイプもあり、鑑別が難しくなってきています。また、躁うつ病と同じく、統合失調症と発達障害とは併存することもあります。
上記のように、躁うつ病(双極性障害)と統合失調症に関しては、
発達障害が併存していることがあります。
この場合は、症状の深刻さや、
投薬治療の奏功がかなり期待できることから、
躁うつ病・統合失調症の治療を優先して行います。
これらの症状に見通しが立ち、患者様も落ち着きを取り戻されてから、
発達障害の方にアプローチをしていくことになります。
この記事を読まれて、関心を持たれたり、気になられることがありましたら、
当院までお問い合わせください。
当院では、大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、統合失調症、不安障害、強迫性障害、パニック障害、睡眠障害、適応障害、摂食障害、自律神経失調症、PMSといった、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。