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【心療内科Q/A】「大人の発達障害と仕事Ⅲ~ライフスキルについて~」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

2回に渡り「大人の発達障害と仕事」というテーマを扱ってきました。

 

そして、この2回において、

 

① 大人の発達障害(あるいは、その傾向)がある方々にとって、職場に“定着する”ことが課題(=困難)となりやすいこと

② 職場を離職してしまう理由として、仕事の内容そのもの(=ハードスキル)よりも、仕事にまつわる周辺の事柄に纏わるもの(=ソフトスキル)が一番多いこと

③ ハードスキル、ソフトスキルの土台となる「ライフスキル」の重要性が提唱されてきていること

 

 

これらのことに触れさせて頂きました。

今回は、最近注目を集め始めているこのライフスキルを、もう少し掘り下げていきたいと思います。

 

 

ライフスキル」とは、私たちが日常生活を滞りなく送るための能力です。

しかし、発達障害(あるいは、その傾向)がある方は、

五感の敏感性(あるいは、鈍麻

睡眠-覚醒リズムの特異性

時間感覚の特異性

過集中、あるいは注意力散漫

衝動性や、スケジュールを組むことへの苦手意識

……といった特性を持っていることがあり、

その影響で、ライフスキルを円滑に送ることに困難が生じることもあります。

 

 

その場合、せっかくご自身に合う仕事を見つけられ、

ハードスキルがを充分に発揮できたとしても、

ライフスキルが整備されていなかったとしたら、

いつか息切れや無理が出てきてしまうことでしょう。

 

 

そういった事態を防ぐためにも、

ライフスキルにはどういった内容が含まれるのか、

さらには、それがきちんと機能しているかを、

この機会に以下の項目をチェックしてみられることをお勧め致します。

 

□ 健康管理:食事や睡眠をしっかりとって体調を整え、病気やケガがあれば病院に行くといったスキル。翌日に仕事があっても、つい深夜まで趣味に没頭してしまい、寝過ごして遅刻を繰り返してしまうようなことはないでしょうか。
□ 金銭管理:収支を自分で管理するスキル。公共料金の支払いや、生活費、食費、娯楽費の管理。つい公共料金の支払いを先延ばししてしまったり、衝動的買い、ギャンブル等の費用が掛かり過ぎてしまったりはしていないでしょうか。
□ 住居管理:自分の住まいの整備(整美)に関するスキル。定期的な掃除、衛生的な住居環境、物を整理整頓する能力が含まれます。仕事に関係する物を紛失してしまったり、見つけ出すのに時間が掛かったりすることはないでしょうか。気が付いたら、部屋の中が雑然としてしまっているようなことはありまんか。
□ 身だしなみ:その日の業務内容や天候など、TPOに応じて、髪型や服装などの身だしなみを整えるスキル。「TPOに合っている服」ではなく、「自分が着たい服」を身に付けてしまっていることはありませんか。三先(靴先・指先・毛先)の確認を怠ってはいませんか。
□ 移動手段:地図や交通機関を利用して目的地にたどりつくためのスキル。乗り換えルートの確認や、電車トラブルの際の代替ルートの確認は出来ていますか。到着時間をギリギリに設定してはいませんか。
□ 対人関係:日常的な人間関係を維持するスキル近所の方に会った際、挨拶はいつもされていますか。よく使うお店の店員さんにも気持ちの良い、適切なコミュニケーションは心掛けられているでしょうか。
□ 余暇活動:休日に適度に身体を休めたり、ストレスを解消させたりするためのスキル。休日にのみ、極端に起床-就寝時刻が異なってはいないでしょうか。その日によって選択が出来るような、様々な余暇活動のバリエーションを持っているでしょうか。

 

これらが主な「ライフスキル」となります。

皆様のご参考になりましたら幸いです。

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状態として気にかかる点が出てこられた方、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください

 

 

当院では、大人の発達障害(ADHD、ASD含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、

睡眠障害、自律神経失調症、PMS、統合失調症など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。