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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
前回「大人の発達障害と仕事Ⅰ」として、
発達障害(あるいはその傾向)をお持ちの方にとって、
就業して以降の共通の課題(困難)として、
「同じ職場(仕事)で継続して働くこと(=定着)」という事柄がある、
という内容で記載させて頂きました。
今回はその内容とも関連した「大人の発達障害と仕事Ⅱ」として、
「ハードスキル」「ソフトスキル」、そして「ライフスキル」という
3つの観点をご紹介したいと思います。
仕事をするためには、「ハードスキル」と「ソフトスキル」という2つのスキルが必要だと言われています。
ハードスキルとは、仕事そのものを遂行する能力を指しています。
例えば、機械を使う技術であったり、専門的な知識であったり、
仕事に使う語学力であったり…等々、といったものが挙げられるでしょう。
発達障害の人が仕事を辞めた理由として、
このハードスキルを理由とする例はごく一部だとも言われています。
海外では1~2割程度という報告もあります。
実は、発達障害の方の働きづらさは、
この仕事の内容そのもの(=ハードスキル)よりも、
仕事の周辺のこと(=ソフトスキル)から引き起こされている場合が多いのです。
ソフトスキルとは、社会人として生活するための能力全般を指しています。
具体的には、コミュニケーション能力、スケジュール管理能力、交渉力、
他者との協調性やチームワーク、統率力…等々、といったものが挙げられます。
発達障害の方は、このソフトスキルの課題により躓いてしまい、
仕事そのものは出来ても、最終的には離職を選択してしまうケースが、
非常に多いと言われています。
さらに近年では、ソフトスキルのさらに土台となっている「ライフスキル」の重要性が指摘されてきています。
ライフスキルとは、その名の通り日常生活を滞りなく送るための能力全般であり、
栄養状態が考えられた食事や規則正しい睡眠の管理、
心身の健康状態の維持とメンテナンス、身嗜みを含めた衛生管理、
体力の維持や増強、生活環境の整備…等々といったものが挙げられるでしょう。
そして、何故このライフスキルが重要かと言うと、
このライフスキルが整備されてはじめて、
その上にあるソフトスキル、ハードスキルを十全に発揮できるということ。
さらに、ライフスキルとソフトスキルは重複する部分が多いということ。
これらがその重要性が指摘される所以です。
発達障害(あるいはその傾向)をお持ちの方で、
現在、職場における“働きづらさ”を感じていらっしゃられる方は、
ご自身の困難(課題)が、この3つのスキルのどこに由来するものなのか、
一度、幅広い視点で検証されてみては如何でしょうか。
このコラムを読まれて、
ご自分の現在のご状態として気にかかる点が出てこられた方、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、大人の発達障害(ADHD、ASD含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、
睡眠障害、自律神経失調症、PMS、統合失調症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。