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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
カサンドラ症候群(カサンドラ状態)とは、
アスペルガー症候群(アスペルガー障害/DSM-Ⅴ以降は「自閉スペクトラム症」)をパートナーに持たれた方が、
お互いのコミュニケーションの中で、
特に“共感性”にまつわる面に関するすれ違い・誤解の積み重なりにより、
心身両面に様々な疾病(障害)が出てきてしまう「状態像」を示しています。
本日は、「カサンドラ症候群(カサンドラ状態)だと諦めないで下さい」の
「第2回目」を書かせて頂きます。
アスペルガー症候群の方は、往々にして、正直で真面目に仕事に取り組まれ、
決められたルールをきちんと守られます。
不器用なところがあったとしても、パートナーのことを大切に思っており、
相手をカサンドラ状態にまで追い込まない方も、勿論いらっしゃられます。
お互いがアスペルガーの“特性”をきちんと理解され、
これまでの誤解やすれ違いの理由を知り、
共通理解や共通認識、共有したいルールや価値観等を見出されていくことが、
共に暮らし生活を営んでいく上でのポイントでしょう。
そこで重要になってくることは、
パートナーに「して欲しいこと(お願いしたいこと)」を、
きちんと言葉にして伝えるようにすることです。
なぜなら、アスペルガー症候群の方にとって、
「相手の気持ちを察する」ことが何よりも苦手とする所だからです。
「相手の表情から、相手の気持ちを読み取る」というようなことも、
同じく、得意ではありません(当人には決して悪気はないのです)。
具体的なやり方としては、
「して欲しいこと(お願いしたいこと)」を、面と向かって伝えるのではなく、
並んで座り静かに伝えたり、
何気なくつぶやいてみたりするのも良いでしょうし、
情緒的な側面から伝えるのではなく、
合理的・実際的な用件の形で伝えるのも効果的でしょう。
例えその時のパートナーの反応が思っていたより薄かったり、
即座に行動に移すような素振りが見られなかったりしたとしても、
これら“手掛かり”の情報は、パートナーの中で貯蔵され処理されていきます。
パートナーにも、相手と上手くやっていきたい、
喜ばせてあげたいという気持ちは、しっかりあるのです。
この「伝える」という行動によって、一度で全てが上手くいくとは思わず、
気長な気持ちで続けてみて下さい。その中で、
「今回はパートナーがすぐに行動してくれた」
「きちんと理解してもらえた」と感じることがあったら、
その時に、あなたがどのように相手に伝えたかを、ぜひ思い出してみて下さい。
もしかすると、その「伝え方」こそが、
パートナーにとって非常に「分かりやすい」伝え方であったのかもしれません。
そして「伝わった」際には、少し大袈裟なくらいその嬉しさを前面に出されて、
言葉でその気持ちを伝えるようにされてみて下さい。
このことを繰り返されていかれる内に、
次第にパートナーに「伝える」上でのコツが分かってくるばかりか、
お互いの関係性も良好なものへ徐々にシフトされていくことでしょう。
一朝一夕で出来ることではありませんが、
どんな方であれ、人と人との関係性やコミュニケーションは、
少しずつ形成され、構築されていくものです。
どうか、『自分はカサンドラ症候群だから…』と諦めないで下さい。
当院では、アスペルガー障害(自閉スペクトラム症)を含めた大人の発達障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症など、皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
また、パートナー(夫婦、カップル)との関係性によって生じるお悩みについても、対応しております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。