A.
医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ADHDは、中核となる症状の内「多動性」に関しては、大人になるとかなり軽減してきますが、全部が無くなるわけではありません。
時として身体の多動性は、仕事に影響を及ぼしてしまったり、職場の周囲の方々へ誤解された印象を与えてしまったりすることがあるため、対策が必要になります。
大人のADHDの方で、仕事中に起こり得る無意識的な動作として、以下のようなものが挙げられます。
●離席が多い
●フロアをウロウロしがちである
●貧乏ゆすりをする
●ペン回しをする
●独り言が多い
●身体を揺らすような動作をする
これらはともすると、それを目にした職場の方から、
「集中していない」「遊んでいる」といった誤解や、
ネガティブな印象を与えてしまいかねません。
かと言って、これらの多動を意識して無理に抑えようとすると、今度はストレスや疲弊の原因にもなりかねません。
つまり、TPOをわきまえた自分に合った多動の逃し方を知っておくことが、有用な「多動のコントロール法」となり得るのです。
その方の多動の表れ方や程度にも依りますが、以下のような「多動のコントロール法」がよく使われています。
◎出勤前に運動する:ジョギングなど予め身体を動かしてから出勤すると、仕事中の多動が減るケースがあります。
◎運動習慣をつける:日頃から運動をしていると、身体の感覚をコントロールしやすくなります。
◎睡眠をしっかりとる:睡眠不足は多動を含めADHDの症状を悪化させてしまいます。
◎休憩を上手にとる:集中が切れるとソワソワしてしまうことがあります。休憩場所を決めておいて、移動して休憩をとることをお勧めします。
◎目立たないように身体の一部を動かす:机の下で足首だけをゆっくり動かすなどをするだけでも、かなり落ち着きやすくなります。
◎市販グッズを利用する:机の下でそっと握れる「マッサージボール」などの市販グッズを活用するのも良いでしょう。
◎別の作業を始める:気持ちを切り替えるのも有効です。
このように、ご自身の体のベースをしっかり整えた上で、
周囲に見えない範囲で身体の一部だけを動かすだけでも、
かなりの多動性を軽減、コントロールすることが可能になります。
もし同様のお悩みやお困りをお持ちの方で、まだご存知でなかったのであれば、ぜひ試してみて下さい。少しでもお役に立ちましたら幸いです。
当院では、ADHDを含めた大人の発達障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症など、皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。