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【心療内科薬紹介】「加味逍遙散とはどういう漢方ですか?」【漢方】

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)でございます。

当院にご興味下さり、誠にありがとうございます。

 

 

Q:「加味逍遙散とはどういう漢方ですか?」に、お答えします。

 

 

A:巷では「女性三大漢方薬」の1つと言われ、特に生理前症候群(PMS)に対する最も有名な漢方薬です。

 

 

漢方薬は、「なんとなく体に優しそう」というイメージもあり、とっつきやすいところがメリットかと思います。

どうしても味が苦いのと(これも漢方によりますが)、基本的には粉であることを乗り越えていただけるのであれば、治療の選択肢の1つになると思います。

漢方薬は、保険収載(保険適応されるもの)されているものだけで100種類以上あり、心療内科、精神科といったメンタルの領域で有名な漢方もいくつもあります。

 

 

加味逍遙散は、「女性三大漢方薬」の1つと言われ、特に生理前症候群(PMS)に対する最も有名な漢方薬です。

我々、心療内科、精神科ではもちろん、最近は産婦人科の先生方もよく処方されます。

 

 

そもそも、「逍遥散」という漢方薬があり、それに「加味」したものです。

「逍遥散」という漢方薬自体は、現在保険収載されている(保険適応される)漢方薬としてはありませんが、東洋医学的には重要な処方です。
「逍遥散」のさらに基本となる処方に「四逆散」というものがありますが、これは「肝気鬱結(かんきうっけつ)」のもっとも代表的な処方です。

 

 

「肝」とは、東洋医学の「肝」であり、現在の西洋医学の「肝臓」とは異なります。

昔はよく、お酒を飲んだ際に「五臓六腑に染み渡る」と言ったものですが、その「五臓六腑」の1つです。

東洋医学では、人体は「気血水」の3つの要素から成り立つと考えますが、その特に気血を司るのが「肝」です。

「肝気」という言葉があるのですが、気分変動はこの「肝気」が「鬱滞=鬱結」していると考えます。

 

 

「四逆散」は、この「肝気鬱結」に対する基本処方となりますが、「逍遥散」はこの「四逆散」に補血(詳細な説明はまたいずれ行いたいと思います。単純には”血液が足りない”状態と捉えます)の当帰、白芍などを加え、「気血両虚」つまり”栄養状態、活気ともに低下している状態”に用います。

 

前置きが長くなりましたが、その「逍遥散」にさらに、瀉火(”炎のように燃える状態を瀉する、つまり下げる”)の作用のある牡丹皮(ぼたんぴ)、山梔子(さんしし)を「加味」したものが、「加味逍遙散」となります。

 

 

「加味逍遙散」は、かつて「血の道症」と呼ばれた(名称がいかがなものかというご意見もあるでしょうが、実際の用語ですので、本稿では変更せずそのまま使用いたします)、現代で言う生理前症候群(PMS),更年期障害に広く用いられます。

ちなみに、もちろん男性にも適応があります。

 

 

「加味逍遙散」は、かなり苦みが強いですので、慣れていただくのが大変ですが、それだけの価値はある処方です。

PMS等でお悩みの方は、診察時にご相談ください。

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)をよろしくお願いいたします。