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【医師監修】PMDDの間欠療法って何ですか??

“間欠療法”いう治療法

 月経前気分不快気分障害(以下:PMDDの治療法として、有効性の高いとされる、所謂“エビデンス・レベルの高い報告”は、その殆どが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(以下:SSRIで占められています。そして、PMDDの薬物治療において、最も特徴的であり、かつ、他の抑うつ障害群の治療では決して行われない方法が、間欠療法です。PMDDの薬物治療において、最も特徴的な点は、この間欠療法(主にSSRIによる)が有効であるということでしょう

 

 

 

間欠療法は、黄体期のみに薬剤を服用する治療法です。間欠療法の薬剤投与開始日は、基礎体温を測定されている患者様であれば、高温期に入った1日目となります。基礎体温を測定されていない患者様であれば、次の月経開始予定日の14日前とされています。間欠療法の薬剤投与終了日は、原則として月経開始日となっています。ただ一部、PMDDの症状が月経開始3~4日目まで続く患者様もいるため、その場合は適宜、延長延長されることがあります。即ち、通常は次の月経開始日の14日前から月経開始日まで薬剤(SSRI)を服用し、その他の時期は一旦薬剤を休止するというのが、間欠療法です。

 

 

 

一方で、うつ病に代表される他の抑うつ障害群の疾患と同様に、全月経周期を通して薬剤を服用すう「継続療法」が行われる場合もあります。PMDDの治療ガイドラインにおいては、原則として間欠療法による治療を行うが、月経が不規則である者や、間欠療法にて効果不十分の場合には、適宜、継続療法を行うことになっています。

補足・症状出現日服用療法とは?

黄体期にのみSSRIを服用する間欠療法が有効なのであれば、PMDDの症状が出現してる時期(通常は月経の7~10日前から症状が始まります)にのみ、SSRIを服用しても効果があるのではないか?と思われる人は当然いらっしゃられることでしょう。

 

 

PMDDの症状が出現している日のみSSRIを服用する方法を「症状出現日服用療法」と言います。PMDDに対する症状出現日療法と、通常の間欠療法を比較した研究報告が多数挙がっています。それらの研究報告によると、「症状出現日服用療法の効果は、間欠療法と比較して、不確実であり、特にPMDDの重症例においては、間欠療法よりも明らかに効果が劣る」という結果が示されたそうです。

 

 

上記の結果から、症状出現日服用療法は、月経前症候群(PMS)の治療法としては時として有効な場合はあるものの、PMDDの患者様には推奨されないと考えられています。PMDDの患者様には、症状出現日服用法では効果が不十分であることが多いと感じられている臨床医が多いようです。

このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、
月経前症候群(PMS)、PMDD(月経前不快気分障害)
うつ病、心身症、更年期障害、冷え性、適応障害、
自律神経失調症、躁うつ病(双極性障害)、不安症、
睡眠障害(不眠症)、摂食障害(過食症)、パニック症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
統合失調症、強迫症、過敏性腸症候群(IBS)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)

参考引用文献:山田和男著月経前不快気分障害(PMDD)