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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
前回の「『軽症うつ』って何ですか?②」に引き続き、今回はその「3回目」となります。
「軽症うつ病(軽症うつ、軽度うつ)」の診断手順(診断基準)は、以下のようになっています。
『2週間以上続く、軽い抑うつ気分と興味・喜びの喪失があり、睡眠障害、食欲不振、体重減少、頭痛や筋肉痛、易疲労感、性欲減退、便秘、動悸、肩凝り、めまい等の自律神経症状を呈しており、理学的所見や諸検査において、症状に見合うだけの器質的疾患が認められないケースで、さらに日内変動が存在する症例』
……となっていますが、顕著な身体症状があることから、患者様の足は、第一選択肢として一般診療内科に向かいがちになります。これを「うつ病の氷山現象」と呼びます。
「うつ病の氷山現象」とは、うつ病の患者様が、心療内科や精神科を受診される割合が少なく、その大部分は、かかりつけ医を訪れている、ということを表した言葉ですが、軽症うつ病においては、特にこの問題は顕著であると言えます。
このことには課題が伴います。何故なら、精神科領域を専門とされていない医師(かかりつけ医)の方にとって、うつ病の診療は、「診断や重症度の判断が難しい」「抗うつ剤の使用方法が分からない」「診療に時間が必要なだけ避けない」「自殺や希死念慮の斟酌が難しい」…等の困難が出てきてしまうからです。そして、共存する身体疾患がある場合、どうしてもそちらにフォーカスしてしまい、うつ病(特に軽症うつ病)の存在が見逃されてしまうことが起こり得ます。
そのため、適切な診断がされていなかったり、診断がされていても適切かつ十分な治療が行われていなかったりする軽症うつ病の患者様は、相当数いらっしゃられるものと予測されています。
そして、「軽症」といっても、「うつ病」であることには変わりなく、うつ病治療の基本である、精神的休養と心理的サポート、適切かつ十分な治療(投薬治療も含め)が必要であることには変わりはありません。一説には、うつ病の80~90%を占めているとも言われている「軽症うつ病」の患者様が、適切な診断と治療に帰着されることを願って、今回この文章を掲載させて頂きます。
当院では、
うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、強迫症、
心身症、ストレス関連障害、睡眠障害(不眠症)、
パニック症、自律神経失調症、更年期障害、
摂食障害(過食症)、月経前症候群(PMS)、
統合失調症、過敏性腸症候群(IBS)、冷え性、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。