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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「過食症(神経性過食症・神経性大食症):BN」には、「過食」に加え、「不適切な代償行為」が伴うということを前回のコラムにて記載させて頂きました。そして、「過食」のみで、「不適切な代償行為」を伴わないものを、「過食性障害:BED」と呼びます。
「過食症」と「過食性障害」のどちらの方がより回復に繋がりやすいかと言いますと、一概には言い切ることは出来ませんが、「過食性障害」の方が回復に繋がりやすく、予後も良いというのが実感でしょう。
その最大の理由は、過食後の「不適切な代償行為」が、過食を行う時期をより長引かせてしまう(=長期化に繋がりかねない)からです。
その理由は幾つかあります。一つは、不適切な代償行為として、自己誘発性嘔吐や下痢を行うことにより、消化器系器官にダメージが出てしまうことです。特に、自己誘発性嘔吐の場合、胃酸が逆流することになりますので、食道に深刻な炎症が起きたり、歯のエナメル質が胃酸によって融解したりする恐れがあるのです。
また、胃に食物が入った信号を受け、脳が胃酸の分泌を指示した際に、既に胃の内容物が失われていると、その後猛烈な空腹感(飢餓感)に襲われてしまい、再度過食を繰り返せざるを得ない状況にも繋がりかねません。
更に、この不適切な代償行為自体に、今度は肉体的・精神的「快」を感じるようになってしまうと、病態がより複雑なものになってしまいます。
「過食」をしてしまった直後は、身体も精神も辛いものであるのは言うまでもありませんが、徐々に「不適切な代償行為」に関しては止められるようになられると、治療や回復もより早く進みますので、そのことを心の片隅に留めておいて頂けましたら幸いです。
このコラムを読まれまして、
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