(更新 2024年7月3日)
A.
医療法人社団ペリカン(心療内科、精神科、内科)です。
「現代病」としての冷え性は、一般的にはクーラーで身体が冷えきってしまう「夏」の方が多いのは確かですが、冬に暖房を効かせ過ぎてしまうことによる「冷え」も問題となっています。むしろ、「暖房がどうして“冷え”に結びついてしまうのか?」と不思議に思われるかもしれません。
中医学(漢方)においては、「冬」という季節を、「静かにエネルギーを蓄える時期」と考えます。即ち、夏の暑さは「旺盛に力を発散させるためのもの」であり、冬の寒さは「エネルギーを貯蓄するもの」と見なします。つまり、落葉樹が葉を落とし、寒さの中でエネルギーを貯めるように、人間も体内で深く気を充実させていく季節なのです。ですから、冬は適度に寒い方が身体には良く、寒さによって身を引き締めることで、力強いエネルギーが育つのです。
自律神経の働きにも、それが現れています。冬は交感神経が働いて、血管を縮め、熱が外に逃げるのを防ぐようになっているのです。
ですからこの時期に、過度な暖房や、飲酒、激しいスポーツ、過剰な激辛料理の摂取などで大量に汗をかくことは、本来体内に備わっている自律神経のリズムを乱してしまうのです。同じ「汗」でも、夏の汗は「養生」になりなすが、冬の汗は「不養生」に繋がりかねません。何故なら、汗をかいて熱を失う時は、エネルギーの消費がつきものであるため、肝心な「気の充実」がしづらくなってしまうからです。
特に「腎臓」は、冬場にエネルギーを使うことでパワーアップする臓器と言われています。夏の間、体内の水分調整は、汗によって行うことが多く、その分、尿をつくる腎臓は休養できます。逆に冬は、腎臓が働く季節です。ところが、その冬場に多量の汗をかき続けるような生活をすると、腎臓の機能を弱めることにもなりかねないのです。
私たちの身体には、四季に合わせて生きる適応力が自然に備わっています。一見すると快適に見えるクーラーや暖房が、人間本来の適応力を弱め、冷えに弱い「冷え性」の身体を作ってしまうので、その点は十分な留意が必要でしょう。
なお、冷え性改善の漢方薬は、当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することが可能です。心療内科において、漢方薬による治療をご希望の患者様は、ぜひこの機会にご相談されてみられては如何でしょうか。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
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当院では、自律神経失調症をはじめ、
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監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)