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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ネット(ゲーム)依存と脳のメカニズムの関係についての「第3回」です。今回は「報酬系との関係」について記載させて頂きます。
美味しい物を食べたり、プレゼントをもらったり…と、何か「報酬」を得た時に活動する脳の一連の部位を「報酬系(報酬回路)」と呼びます。神経伝達物質のドーパミンを分泌するドーパミン神経系がその正体です。
報酬系を活性化する「報酬」には様々なものがあります。ご馳走やプレゼントが報酬になるのは勿論ですが、依存症の方にとっては“ある特定のもの”が、脳のドーパミン神経系を活性化することが分かってきています。例えば、アルコール依存の方には、居酒屋の赤提灯や、お酒のコマーシャルを目にすることが報酬系を刺激することになるかもしれません。
では、ネット(ゲーム)依存の方にとっては、何が刺激となるのでしょうか?
ネット・ゲーム依存の方は、ゲームをしている時だけでなく、ゲームを暗示させるようなものを目にしただけで報酬系が強く反応します。この反応は、先述のアルコール依存症の方が、アルコールを暗示させる刺激を目にされた時に見られる反応と同じものでした。つまり、脳の同じ部分が活性化したのです。このことは、ネット・ゲーム依存が「依存症」の一種であることを示す有力な証拠の一つであると考えられます。
当然ながら、ネット・ゲーム依存でない方の脳には、こういった反応は見られません。即ち、ネット・ゲーム依存の方の脳は、ゲームを暗示させるものを目にしただけで、即座に「快感」を期待してしまい、「ゲームがしたい」という欲求を達成するための行動に繋がってしまう訳です。
反対に、ゲームを暗示させるもの以外の刺激であった場合、報酬系は余り機能しないことが明らかになってきています。つまり、ネット・ゲーム依存の方の脳が「快感」を感じるのは、ゲーム(もしくは、ゲーム関連のもの)に限られ、それ以外の刺激への興味や関心は非常に少なくなっていることが推測されるのです。
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