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「円形脱毛症」の発生メカニズムは、まだ完全には解明されてはいませんが、免疫異常と血液障害が関係しているとされています。そして、それらは「自律神経系」の作用によって生じると考えられています。
円形脱毛症は、若年層の発症が多く指摘されていますが、実際は幅広い年齢層で起こり得ます。性差も余りありません。
円形脱毛症は、小さなものほど心因性のものである可能性が高いと言われています(その場合、「心身症」にカテゴライズされます)。そして、広範囲のものほど、自己免疫的側面があると考えられています。つまり、ストレスで円形脱毛症が生じ都ことはありますが、円形脱毛症の全てがストレスで生じるという訳ではない、ということなのです。
しかしその一方で、大きさに関係なく、「円形脱毛症を持っていること」それ自体が、かなりのストレスになってしまうことは事実であり、そのために帽子を被って外出をされたり、場合によっては外出すら(仕事や学校等に行く事すら)ままならなくなってしまったりされる例もあるのです。
心因性・ストレス関連性からくる脱毛の場合、ストレスを感じる出来事があってから2週間から6週間位で脱毛が生じることが多いです。始めは直径1cm位の小さなものが生じます。そして、脱毛は約2週間から4週間程度続いておさまります。その後、3ヶ月程経過した後、再び生え始めます。もし、こういったストレスとは関連なく、何度も繰り返す経過の場合は、心因性・ストレス関連性のものではなく、自己免疫性のものである可能性が高いでしょう。
しかし先述のように、円形脱毛症が生じていること自体がストレスとなって、気分が憂うつ(抑うつ)になられてしまうことや、「治るのかどうか」といった不安感が出てきてしまうことは誰しも起こり得ます。そういった円形脱毛症を契機とした、一種の適応障害的な症状に対しては、心身医学的な対応が必要になることもあるでしょう。円形脱毛症にお悩みの患者様は、時として脱毛に対して非常に過敏になられてしまっていることが往々にしてあり、「(実際に抜けている以上に)多く抜けている」と感じてしまわれている方が多いと言われています。
円形脱毛症の治療は、もしも心因性・ストレス関連性からくる場合は、皮膚科的な治療に加えて、心療内科的な治療を併用することをお勧めします。特に、円形脱毛症が気になってしまうあまり、不眠症状まで出ているようなら尚更でしょう。加えて、認知行動療法などにより、過剰に気にしてしまう自分に対する正しいセルフモニタリングや、原因となるストレスそのものへの対処や対策を行われていかれることも、根本治療としては有用になってくるかと思われます。
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