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【心療内科Q/A】「大人のADHDです、気を付けた方が良い『認知のパターン』を教えて下さい」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

以前同コラムにて、大人のADHDの方に見られる「補償方略」という、

意識して気を付けられた方がよい行動パターンをご紹介させて頂きました。

今回は、大人のADHDの方に見られる「認知の歪み」という、

気を付けられた方が良い認知(=思考や考え方)のパターンを、

以下に、ご紹介させて頂きます。

 

 

 

□ 過度の一般化:特定のミスから一般的な結論を出したり、元々のミスと関係があろうがなかろうが、その結論を他の状況に適用すること。

 

 

□ 魔術的思考:問題解決を自分が制御出来ないこと(運など)に、過度に頼ること。(例「適切な用量の薬物療法を受けさえすれば、全ての問題を解決できる」)

 

 

□ 相対的思考:他人と比較して自分がどれほど上手く出来ているかで自分を評価すること。(例「試験で時間を延長してもらう必要があるのはクラスの中で私だけだ。私はこの先授業についていけないだろう」)

 

 

□ 公平さの誤認:全ての点で人生は公平であるべきだという信念。(例「教科書を1章分読むのに、ルームメイトより時間が掛かるなんて公平ではない」)

 

 

□ 全か無か思考:起きたことを二分して、黒か白かのようにみる傾向。(例「私の教育係が幾つかの項目で『改善の余地がある』と書いていた。私がやったことは全くダメだったに違いない」)

 

 

□ 読心術的推論・占い:確固たる根拠もないのに、他者が当人を否定的に捉えており、状況は確実に悪化するだろうと推論すること。(例「きっと同僚は、私のことを信用できないと思っているに違いない。これから増々仕事がやりづらくなるだろう」)

 

 

□ べき思考:自分自身の行動の一側面に関する非現実的で非適応的な規則を作ること。(例「座って考えたりせずに、私はスケジュールの優先順位を何よりもまず付けるべきである」)

 

 

□ 不適切な非難:不公平な自分や他者への叱責と、その他の要因の見落とし。(例「彼女は私がADHDであることを理解すべきであり、よってデートをすっぽかしてしまったことを怒るべきではない」)

 

 

 

もしもこのような認知面での課題があることに気が付かれ、そのことが、

“生きづらさ”や“ネガティブな悪循環”に繋がっているようであれば、

認知行動療法など心理社会的療法を、投薬治療と併用することで、

より対処しやすく、生きやすくなる方略を一緒に考えていくことが、

治療法略として提案することが出来ます。

 

 

繰り返しになるかもしれませんが、

ADHDの治療のゴール(目標)は、症状の改善に留まらず、

長期的には、その方の抱える“生きづらさ”を改善していくこと、

さらには、その方自身の能力を十全に発揮できるような状態に繋げていくこと。

――これらになってくることを、再度記載させて頂きます。

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含むをはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、

睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック

(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。