A.
医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
大人の発達障害(あるいは、その傾向)の特性をお持ちの方は、
表題の内容について、思い当たる節があるかと思われます。
ADHD(あるいは、その傾向)の方は、
その「衝動性」という特性から、その時頭に浮かんだことに対して、
「これは言っても良いことだろうか?」と一旦吟味するステップを跳ばしてしまい、
思ったままストレートに口にしてしまうことがあります。
そのため、時として相手を無意識の内に傷つけてしまい、
いつの間にか避けられてしまうような憂き目を見ることも起こり得ます。
一方、自閉スペクトラム症(あるいは、その傾向)の方は、
「枠組みのない、自由な会話」というものが苦手なところがあります。
ある意味では、テーマがはっきりとしているような場面の方が、
まだ参加しやすいかもしれません。
他にも、その雑談をしている相手との心的距離感が上手く掴めず、
そのことが会話をする上での障壁となってしまっていることもあるでしょう。
もし上記のようなことがお悩みとしてあるようでしたら、
雑談の際の基本的なスタンスとして、
「無理に自分が話そうとするのではなく、“聞き上手”になろう」
と考えてみられてはどうでしょうか。
人は誰しも、「話したい」という欲求を持っています。
もっと言ってしまえば、「話を聞いてもらいたい」と思っています。
しかし、日常生活において、意外にもそのような機会は少ないものです。
例え、身内や家族であったとしても、
「いま忙しいから後で」と言われてしまい、
その「後で」の約束が、きちんと果たされることすら稀でしょう。
ですので、話をきちんと聞いてくれる相手、というものは、
誰にとってもありがたく、かつ好感を持って接することができる対象なのです。
「聞き上手」になるための最初のコツは、
つい自分が話したくなってしまったとしても、
まずは相手が終わるまで、最後までしっかりと聞くことです。
会話が被ってしまったり、口を挟むような形になってしまうのは、
相手にとっては心地のよいことではありません。
無理に会話に加わろうとか、気の利いたことを言おうと気負う必要はありません。
相手のペースに合わせて(自分のペースではなく)、
話の切れるタイミングで「頷き」や「相槌」を入れるだけで充分です。
これだけ読むと「そんなこと簡単に出来る」と思われるかもしれませんが、
これは、誰にとっても、想像以上に難しい技術です。
ですので、はじめは「何となくその雑談の場に加わっている」こと自体を、
練習の目的とされても良いかと思われます。
例えば、自分と同じ仕事のチームで、
仕事中に雑談の輪が出来ている光景を目にされたならば、
よほど忙しくない限りは、なるべくその輪に加わるようにされてはどうでしょう。
特に発言をされなくとも、話の内容を聞いているだけでも充分です。
何故なら、業務時間中に出る雑談は、
仕事に関係した内容であることが多いからです。
このコラムを読まれて、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、
睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。