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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「5月病」とは、日本において4月に新しい学校に入学された方が、
5月のゴールデンウイーク明け、急速に通学する意欲が低下してしまったり、
一気に疲れが出てきてしまったりする“状態像”(正式な病名ではありません)を指し、
そのように呼ばれるようになりました。
これは、学生の方だけではなく、
新社会人の方(あるいは、4月に新しく職場が変わった方)にも
同様の症状が出ることがあります。
また、新入社員の方の中には、
「新人研修」が別プログラムとして約1か月間組み込まれている会社もあり、
その場合は現場に入るのが1か月遅れることから、
現場に入ってから約1か月後の「6月」に、
「5月病」とほぼ同様の症状が現れることがあるため、
別称として「6月病」と呼ばれることもあります。
先述のように、この「5月病」「6月病」は共に正式な病名(診断名)ではありません。
医学的に考えるのであれば、
このような環境の変化が大きな要因とされる疾病(病名)として、
「適応障害」が第一に挙げられるでしょう。
「適応障害」は「環境の大きな変化」がトリガーとなりやすいため、
人によっては、9月などの別の異動の時期であったり、
夏休みや年末年始といった別の長期休暇明けに発症することもあります。
今年の場合は、コロナ渦による「非常事態宣言中」でもあるため、
「環境の大きな変化」は季節を問わず起きているとも言えるでしょう。
「コロナ疲れ」「自粛疲れ」を訴えられる方の中には、もしかすると、
適応障害という疾病レベルにまで至ってしまっている可能性も考えられます。
他にも、入学試験や就職活動を一生懸命に行ない、
その大きな目標を達成し終わったことによる「棚卸しうつ」との関連性や、
「バーンアウト状態(燃え尽き症候群)」、
さらには、入学・入社後の新生活に対して抱かれていた“理想”と
実態の“現実”との乖離が余りに甚だしかった時の「リアリティ・ショック」等々、
うつ病へのリスク要因が関わってくることがありますので、注意が必要です。
学生の方であれば、学校内の学生相談室の専門スタッフの方々、
社会人の方であれば、職場の健康管理センターの産業保健スタッフの方々といった、
心身の不調に対して相談に乗って下さる専門職の方がいらっしゃられますので、
そちらを最初の相談窓口とされるのも良いかと思われます。
また、当クリニックのような市井にある心療内科・精神科クリニックを受診され、
そこで医師や心理士と一緒に、
症状への対処や対策を考えていくという方法もあるでしょう。
このコラムを読まれて、ご自分のご状態に気にかかる点が出てこられた方は、
どうぞ当院までお問い合わせください。
当院では、適応障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、統合失調症、発達障害、不安障害、強迫性障害、
パニック障害、睡眠障害、摂食障害、自律神経失調症、PMSといった、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。