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ルネスタの副作用について|作用や安全な使い方、他の薬剤との比較など精神科専門医が徹底解説

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ルネスタの副作用について|作用や安全な使い方、他の薬剤との比較など精神科専門医が徹底解説

ルネスタの副作用とは?精神科医がわかりやすく解説

はじめに

「ルネスタは比較的新しい睡眠薬で副作用が少ないと聞いたけれど、実際はどうなの?」

このような疑問を持たれる方は少なくありません。ルネスタ(一般名:エスゾピクロン)は、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬として登場し、依存性が少ないとされる反面、副作用についてもきちんと理解しておく必要があります。

この記事では、精神科医の立場から、ルネスタの作用、副作用の種類や頻度、安全な使い方、他の薬剤との比較、注意すべきポイントについて詳しく解説し、安心して服用するための情報を提供します。

 

ルネスタとは?

ルネスタは、非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠導入剤です。従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬(ハルシオン、デパスなど)に比べて、筋弛緩作用や記憶障害が少なく、高齢者にも使いやすい薬剤として注目されています。

主な特徴:

  • 効果発現は約30分以内と速やか
  • 持続時間は6〜8時間程度
  • 中途覚醒や早朝覚醒にも効果あり

また、肝臓で代謝され、主にCYP3A4という酵素によって分解されるため、肝機能が低下している方には用量調整が必要です。

 

ルネスタの主な副作用

ルネスタは比較的安全性が高いとされる薬ですが、以下のような副作用が報告されています。

1. 苦味・口の中の違和感(味覚異常)

最も特徴的な副作用で、約30~40%の方にみられます。金属的な苦味や口内の不快感は、服用直後に現れることが多く、翌朝まで続くこともあります。

この副作用は一過性であることが多いものの、日常生活に支障が出るほど強く感じる場合は、医師に相談のうえ薬の変更を検討します。

2. 眠気・倦怠感・集中力の低下

翌朝まで効果が持ち越される「残効」により、起床後の眠気や集中力の低下が報告されています。特に高齢者では、ふらつきや転倒のリスクがあるため注意が必要です。

3. めまい・頭痛・吐き気

これらの副作用は頻度は高くありませんが、個人差によって現れることがあります。持続的に症状が続く場合は、用量の調整や薬の変更が必要となります。

4. 依存性・離脱症状

非ベンゾジアゼピン系であっても、長期使用や高用量の使用により依存が形成される可能性は否定できません。中止時には、不眠の再発、落ち着きのなさ、不安感などの離脱症状が起こる場合があります。

したがって、自己判断での断薬は避け、医師の指導のもとで徐々に減薬する必要があります。

 

他の睡眠薬との比較

薬剤名

分類

効果時間

特徴

ハルシオン

ベンゾジアゼピン系

2~4時間

超短時間型、健忘あり

デパス

ベンゾジアゼピン系

約6時間

抗不安作用も強い

ルネスタ

非ベンゾジアゼピン

6~8時間

苦味が特徴、副作用少なめ

ベルソムラ

オレキシン受容体拮抗薬

7〜10時間

依存性が非常に少ない

ロゼレム

メラトニン受容体作動薬

1〜2時間

自然な眠気を促す

ルネスタは、入眠障害・中途覚醒のどちらにも対応でき、比較的バランスの取れた薬剤です。

 

安全に服用するためのポイント

ルネスタを安全に使うためには、以下の点に注意が必要です。

  • 服用は就寝直前に:ベッドに入る直前に服用することで、苦味や健忘のリスクを軽減。
  • アルコールと併用しない:中枢神経抑制作用が強まり、呼吸抑制や意識障害を引き起こすことがあります。
  • 高齢者・肝機能障害がある方は少量から開始:代謝が遅くなるため、残効や副作用が出やすくなります。
  • 苦味が強い場合は医師に相談:無理して我慢せず、他の薬剤への切り替えも視野に入れましょう。

 

医師からのアドバイス

睡眠薬に対する不安はよく理解できます。しかし、ルネスタは適切に使えば、生活の質を大きく向上させる助けになります。

副作用が出る可能性があるからといって過度に恐れる必要はなく、「正しい使い方」と「定期的な医師のフォローアップ」があれば、安全に使用できます。

また、薬だけに頼るのではなく、睡眠衛生の見直し(寝る前のスマホ制限、適度な運動、入浴習慣など)も非常に重要です。

 

まとめ:ルネスタの副作用は理解して使えば怖くない

ルネスタは、比較的副作用の少ない睡眠薬でありながら、しっかりとした効果を発揮する薬です。苦味や残効、依存など注意点はありますが、いずれも適切に対処すれば大きな問題になることは少なく、多くの患者さんが恩恵を受けています。

睡眠でお悩みの方は、まずは医師に相談し、ご自身に合った治療法を見つけましょう。正しい情報と適切な対応で、安心して治療を続けることができます。

 

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参考文献:

厚生労働省「睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/content/000531220.pdf

 

日本睡眠学会:非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の安全性

https://www.jssr.jp/

 

ルネスタ添付文書(エスゾピクロン)https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/670078_1129040F1026_1_09

 

Drugs.com – Eszopiclone Side Effects

https://www.drugs.com/sfx/eszopiclone-side-effects.html

 

医中誌Web:ルネスタの副作用に関する国内臨床研究

 

監修者:

新宿ペリカンこころクリニック

院長 佐々木 裕人

資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医

所属学会:日本精神神経学会