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CBDの効果とは?|効果や副作用、使用上の注意を精神科専門医が解説

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CBDの効果とは?|効果や副作用、使用上の注意を精神科専門医が解説

CBDの効果とは?不安・不眠・痛みに対する可能性を精神科医が解説

はじめに

昨今、「CBD(カンナビジオール)」という言葉を、メディア上で見る場面が多くなってきています。CBDは、リラックス効果が期待され、不安やストレス、不眠の解消法として注目されています。しかし、その効果や安全性に関しては、まだ十分に理解されていない部分が多いのが実情です。

今回は、正しい知識を持って使用して頂けるよう、精神科医の観点からCBDの効果、副作用、使用時の注意事項を分かりやすく解説します。

 

CBDとは?

CBD(カンナビジオール)は、麻(ヘンプ)に含まれる天然由来のカンナビノイドの一種で、精神的な影響を与えるTHC(テトラヒドロカンナビノール)とは異なります。CBDは、体内に存在する「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」と相互に作用し、気分、食欲、睡眠、免疫の調整に関与しているとされています。

日本では合法的に使用・販売が許可されており、グミやオイル、リキッド、スキンケア製品など、様々な形で市場に出回っています。

 

CBDの主な効果

不安の軽減

CBDは、脳内でセロトニン受容体と結びつくことで、不安を和らげる効果が期待されています。この作用により、軽度の不安や緊張感が和らぎ、海外で行われた臨床研究でも一定の成果が確認されています。

さらに、いくつかの研究では、CBDが社交不安障害を抱える患者様に対して有効に働きかけ、スピーチ中の緊張を大幅に和らげたことが報告されています。

 

睡眠の質の向上

CBDは直接的な睡眠導入効果はありませんが、間接的に睡眠の質を向上させる効果があるとされています。特に、ストレスによる不眠や入眠困難に対して、リラックス効果が改善を促す可能性があります。

継続的な使用により、深い眠りの時間が増加し、夜間の目覚めが減少するという報告もあります。なお、効果は個人差が大きいため、慎重に経過を観察することが重要です。

 

痛みや炎症の緩和

CBDには、関節痛や筋肉痛、月経痛、偏頭痛などの痛みを和らげる効果が期待されています。また、抗炎症作用により、慢性的な痛みの緩和をサポートできる可能性があり、欧米では医療用途としても注目を集めています。

さらに、スポーツ選手のリカバリーにCBD製品が活用されることもあり、筋肉の炎症を抑え、回復を早めるために使用されることがあります。

 

その他の効果

CBDは、てんかん、多発性硬化症、パーキンソン病などに対して有効性が報告されており、これらの疾患に関する医療現場での臨床研究が進行中です。なお、これらの治療には医師の管理下での使用が必要です。

また、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、CBD製剤「エピディオレックス」の使用を一部の小児てんかんに対して認めており、医療分野におけるCBDの応用が拡大しています。

 

CBD使用時の注意点

  • 効果の個人差:

CBDの効果は個人によって異なるため、すぐに結果が現れない場合もあります。

  • 副作用:

一部の人々において、眠気や口渇、下痢、食欲不振といった症状が現れることがあります。

  • 相互作用:

抗うつ薬や抗不安薬といった薬剤と併用することで、相互作用を引き起こす可能性があります。

  • 品質の違い:

製造元によって品質に違いがあり、信頼できるブランドを選ぶことが非常に重要です。

  • 合法性の確認:

輸入品やオンライン購入の際には、THCが含まれていないかを必ず確認しましょう。

 

医師としての見解

CBDは、医薬品としての位置づけではなく、むしろサプリメントに近いと考えられます。ただし、精神的な安定を助ける可能性があることは否定できません。しかし、精神疾患の治療において自己判断で使用することは避け、専門の医師による診断と指導を受けることが重要です。

また、既に治療中の方は、CBDを使用する前に必ず主治医に相談し、他のお薬との相互作用や安全性について確認することが求められます。治療のサポートとして利用する際は、過剰な期待を抱かず、慎重に経過を見守りながら調整していくことが推奨されます。

 

まとめ:CBDの効果を正しく理解し、適切に活用を

CBDは、不安や不眠、痛みの軽減など多くの可能性を持つ成分です。しかし、その効果には個人差があり、すべての人に同じ結果をもたらすわけではありません。

副作用や相互作用への配慮も必要なため、信頼できる製品を選び、自己判断ではなく必要に応じて医師と相談しながら使用することが望ましいと言えるでしょう。正しい知識と慎重な姿勢が、CBDを安心して活用する鍵となります。

 

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参考文献:

日本臨床カンナビノイド学会公式サイト
https://j-clinical-cannabinoid.org/

 

WHO. Cannabidiol (CBD) Critical Review Report.
https://www.who.int/medicines/access/controlled-substances/CannabidiolCriticalReview.pdf

 

FDA – Epidiolex Approval and Information
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-drug-comprised-active-ingredient-derived-marijuana-treat-rare-severe-forms

 

監修者:

新宿ペリカンこころクリニック

院長 佐々木 裕人

資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医

所属学会:日本精神神経学会