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【医師監修】自分の性格タイプをチェック!

自分の性格のタイプをチェック!

うつ病に限らず、ある人が心の病気になるかどうかは、次の条件の組み合わせが関係しています。

 

 その人の心と身体の条件・体質
 特定の環境(職場・家庭など)下におけるストレスの状態
 職場や家庭などで相談に乗ってくれたり、支援してくれたりする人の有無

 

 

心の病気になりやすい体質の方であっても、ストレスが過剰ではなく、上司や同僚、家庭内での支援に恵まれている方は発病しないかもしれません。逆に、心の病気になりにくい体質の方でも、ストレスが強すぎたり、支援者に恵まれない場合、発病することもあり得ます。つまり、ストレスが増えた現代社会においては、誰が発病しても不思議ではないのです。

 

 

但し、心の病気になるかどうかは別にして、仕事などでつい無理をしてストレスを背負いやすいタイプの人達もいます。そのような人達は、仕事や人間関係の面で、ある種の特徴的な考え方を持っています。ここでは3つのタイプを挙げましたので、あなたが普段、仕事や人間関係について、どのように考えているかをチェックしてみましょう。

 

 

➊ よい子度チェック(3つ以上当て嵌まれば、あなたは「よい子」です)
□ 38度位の熱で仕事を休むべきではない
□ 手抜きは嫌いで、どちらかと言うと凝り性
□ 気配り屋で、世話好きだ
□ 人(上司、同僚、後輩等)の評価(目)を気にする
□ 頼まれたら嫌なことも断れない
□ 対人関係で波風は立てたくない

 

 

➋ ねば子度チェック(3つ以上当て嵌まれば、あなたは「ねば子」です)
□ 利己主義はダメで、優しくありたい
□ いつも勇気と思い遣りを持ちたい
□ 職場でも私生活でも、他人から後ろ指をさされたくない
□ 人はどんな苦労も耐えるべきだと思う
□ 決して他人を傷つけてはならない
□ 困難を乗り越え、常に成長していく人になりたい

 

 

❸さびしい子度チェック(3つ以上当て嵌まれば、あなたは「さびしい子」です)
□ 自分に自信が持てない
□ 批判されると、かなり落ち込む方だ
□ 質問するとか、「できません」「どうすればいいの?」などと言えない
□ いつも他人と自分を比べてしまう
□ 他人に何か言われると真に受けて、考え込むことが多い
□ 自分が余り好きではない

 

 

※注意:これは病気になり易さのチェックではありません。ものの考え方の振り返りです。深く考えずに直感で選んで下さい。2つのタイプ、3つのタイプが重なることもありますし、どのタイプにも当てはまらない方もいます。

ストレスを背負いやすい人には一定の「ものの見方・考え方」があり、ここでは3つのタイプを紹介しました。

 

➊ 周りに気を遣う働き者の優等生である「よい子」
➋ 高い目標や理想のもとに、〇〇であるべき、〇〇ねばならばいと考える「ねば子」
❸ 自分に自信が持てない、対人関係に敏感な「さびしい子」

 

 

「え~!! イヤだなー、全部当て嵌まっちゃった!」と言う方もおいででしょうが、心配ありません。生産性本部メンタルヘルス研究所の小田所長は、日本人が仕事で成功(昇格や業績)する4条件に次のものを挙げています。

 

 

★几帳面に手抜きせずコツコツと仕事するタイプ(=これは「よい子」タイプです)
★明るく面倒見よく振る舞い
★粘り強く働き
★上司に自分をアピールできる

 

 

これらのことを「出世のテトラ」と名付けています。つまり、ストレスを背負いやすいものの考え方と言っても、良い悪いではなく、光の面が出れば良い仕事や業績、そして周囲からの厚い信頼に繋がります。たまたま影の部分が出れば発病にもなるので、時と場合によって違ってくるのです。

 

 

「ねば子」さんでは高い目標を目指して頑張ることで、「さびしい子」さんでは、仕事に自信が持てないことをバネに努力することによって、より良い仕事をされていることでしょう。

 

 

あなたの性格やものの考え方は、あなたらしさを形成している訳ですし、その個性を持ち合わせているのは、この世にたった一人のかけがえのないあなたなのですから、無理をしてそれを変える必要はありません。

 

 

大事なことは、心身におけるある程度の知識を獲得された上で、自分に向き合い、自分を知り、そんな自分を大切にされること。ひいては、周囲とのコミュニケーション能力や、セルフマネジメントのスキルを高めることなのです。

 

 

また、上記の3つのタイプ(「よい子」・「ねば子」・「さびしい子」)には、共通する考え方や感じ方があります。それが、「全か無かの考え方」、「『他人の言ったこと=事実』と捉えてしまう傾向」の2つです。

どうやって元気に働くの?

繰り返しになりますが、この3つのタイプ(「よい子」・「ねば子」・「さびしい子」)については、誰にも多かれ少なかれ当てはまります。性格に良し悪しは当然ありませんが、現代社会において、これらの3つのタイプの人は職場でも家庭でも、ついつい働き過ぎてしまう傾向があります。問題は、心(気持ち)が頑張り過ぎて、「心の乗り物である脳」がくたびれていってしまい、その結果、心の病気を発病してしまうことです。では、どうすれば心の病気を予防することが出来るのでしょうか?

自分にはたす4つのルール

心も身体も健康で、良い仕事をしていくための大原則が「くう・ねる・あそぶ」による充電です。とりわけ男女を問わず、次のような4つのルールが最低限必要です。

 

①十分な睡眠が決定的に重要 (7~8時間は必要で、6時間未満は危険です)

 

②どんなに忙しくとも、週に1日は仕事をしない日を設ける (休日の出勤、家での仕事も不可)

 

③できる限り、年休をとるように努力する (厚労省もそれがメンタルヘルスにもたらす重要性を示しています)

 

④パートナーや中学生以上の子どもがいる場合、家事は極力分担する

 

本によっては、「旅行や温泉、アロマテラピーなどのリフレッシュをしましょう」とも書かれていますが、そういった事ができない人も多い上、リフレッシュをするためにも、これらの4つのルールは欠かせません。

 

 

また、「休日をゴロゴロしてムダに過ごしてしまった」と悔いる人がいますが、それも立派な「脳の休養」つまり充電であり、決してムダなどではないのです。「ゆっくりと過ごすことが出来て良かった」と考えてはどうでしょうか。

 

 

もしパートナーが仕事中毒(ワーカーホリック)で、女性が「よい子」「ねば子」の場合、共倒れになりことがしばしばあります。パートナーに家事をさせることは、仕事中毒の方への最大の治療です。加えて、高校生以上の子どもがいるのに、母親だけが弁当や朝のご飯支度をするために早起きする家庭もあります。男女問わず子どもには、小さい頃から自炊の能力をつけさせた方が、ずっとより良い人生が送れると言われています。

ルールの中で頑張れば良い

いずれも「よい子」「ねば子」「さびしい子」の方々にとっては、苦手なことでしょう。「そんなのは無理」「職場の現実を知らないの?」という声が聴こえてきそうです。ただ、今どうしてこの文章を読まれているのかを思い出されて下さい。健康でよい仕事をするためです。

 

 

「ルールの中で、仕事に頑張りましょう」ということが大切なのです。厳しい言い方をすれば、職場に必ずしも自分を守ってくれる上司がいない、あるいは、そういう雰囲気がない職場であるならば、自分の命と健康は、自分でルールを作って自ら守るほかないのです。

当院では、うつ病適応障害をはじめ、

躁うつ病(双極性障害)、自治都神経失調症、

睡眠障害(不眠症)、心身症、強迫症、不安症、

パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っておりますカウンセリング(心理療法)をご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

Presented by 医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

参考引用文献:鈴木安名著働く女性のメンタルヘルスがとことんわかる本(あけび書房)