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躁うつ病について(総論) ②

前回に引き続き、躁うつ病に関するコラムを記載いたします。

 

 

 

F31.0 双極性感情障害[躁うつ病] Bipolar affective disorder

 

 

[ICD-10 序論より引用]

 

躁病エピソードは普通突然に始まり、2週間から4、5ヶ月間(持続期間の中央値は約4ヶ月)持続する。うつ病はより長く続く傾向がある(持続期間の中央値は約6ヶ月)が、高齢者を除いて1年以上も続く事は稀である。

 

[解説] 躁病エピソードは、DSM-5では1週間以上、ほぼ毎日、1日の大半において持続するとしています。うつ病エピソードは、数か月~半年程度が多いです。1年以上抑うつ気分が続いている場合は、その程度、経過にもよりますが、例えば持続性気分障害(特に気分循環症)なども診断の選択肢に挙げられます。

 

 

 

躁と鬱の両方のエピソードとも、強いストレスになる生活上の出来事や他の心的外傷に引き続いて発症することがしばしばあるが、そのようなストレスの有無は診断にとって本質ではない。

[解説] 診断上は、躁病エピソードとうつ病エピソードがあれば診断できるものですので、その”原因”としての契機の有無は診断には必要ないという意味です。ただ、その方の心の悩みを理解し、今後の再発を防止するという観点からは、もちろん重要です。

 

 

 

(次回に続きます)