インスタグラムを無視し、チャット機能をオフにし、Twitter(X)を閉じて、Facebookをやめる。これを寝る時間のかなり前に行いましょう。就寝前のSNSの使用が眠りを妨げるというデータが多数あります。何故でしょうか? 自分の生活をオンラインの出来事と比較して、物足りなさや不安の感情が湧いてくるからです。この種の精神的な怖れがあると、世間を気にせずに眠ることが難しくなるからです。
英国の王立公衆衛生協会が発表した、SNSが若者の健康と幸福に与える影響についての報告書によると、中でも画像を中心としたもの(例:インスタグラム等)が最悪であり、睡眠と身体の知覚に悪影響を及ぼし、不安と仲間外れになる怖れを引き起こしていました。実際、皆様の中でも「インスタ疲れ」を感じる人は少なくないのではないでしょうか?
SNSをスクロールする時に気をつけたいことが、大抵の人は、見栄えが良くて、楽しい時の写真しか投稿しないということです。写真に加工して、より「完璧」に見せている場合さえあります。
ぐっすりと眠りたい人にできる最善の行動は、SNSを閉じて、就寝時間の少なくとも2時間前に「デジタルデトックス」を行うことです。取り残される不安はいったん忘れて、心の安らぎを見つけましょう。その方がリラックスできて、眠りやすくなります。
日本の「わび・さび」の概念を取り入れてみても良いでしょう。インスタグラムに完璧を求めてしまう浅はかな欲望を遠ざけ、不完全な状態を受け入れ、ひび割れや欠点に美しさを見出すのです。自分の顔の小じわや、大切な家族を長年育んできた「ありのまま」の住まい…等々、人生にはもっと大切にすべきものが、あなたの身近に沢山あるはずです。
デジタルデトックスを行ってみましょう!
メールやツイートに即座に反応するのが当たり前になりました。1日に2617回もスマートフォンをスワイプしてチェックする人もいます。
しかし、休むこと苦なデジタルテクノロジーを使っていると怒りっぽくなり、脳を使いっぱなしになるので、寝る時に緊張をゆるめるのが難しくなります。
一部の専門家は、デジタルテクノロジーやSNSの過度の使用についての健康リスクの警告を出すべきだとアドバイスしており、多くの専門家は、タバコやアルコールよりも中毒性が高いと指摘しています。
多くの研究から、次々と更新されるSNSの最新情報をチェックし続けるプレッシャーが、多大な緊張と不安をもたらすことが分かっています。コペンハーゲン大学の調査で、Facebookを常用している人に1週間(Facebookを)休むよう依頼したところ、生活満足度が向上し、幸せを感じるようになり、ストレスが少なくなったそうです。
カリフォルニア大学の研究者の調査によると、メールを頻繁にチェックする事務職員は心拍数が「厳戒態勢まで上昇しましたが、メールを5日間休んだ人には、健康であることを示す心拍数の自然な変動が見られました。
これまで見てきたように、1日中警戒心を強めていては、心地良く眠れません。デジタルを休む努力を、夜だけでなく、日中にも行いましょう。デジタル中毒の人は、せめて短時間でもスマートフォンを手放すようにしましょう。
例えば、テレビを見たり、犬を散歩させている時だけはスマホを見ないようにする。スマホをチェックする感覚を空ける。通知をオフにするか、せめて設定を微調整して、FacebookやTwitter(X)の「いいね」や、アプリの更新、受信メールをしょっちゅう見なくても済むように工夫する―等々、出来そうなことから行ってみられることをお勧めさせて頂きます。
デジタルを使ってデジタルデトックスを促すアプリも複数存在します。例えば、「Forest」というアプリは、苗木を植えて木を「育てる」ことができるのですが、電話を掛けるといった必要な用事以外の目的でスマホを使うと枯れてしまいます。また、植樹団体Trees for the Future とも連携しており、アプリ内で獲得したコインを使って、アフリカに本物の樹木を植えることができるので、環境保護に一役買うこともできるのです。
当院では、睡眠障害(不眠症)をはじめ、
不安症、うつ病、躁うつ病、適応障害、
自律神経失調症、パニック症、摂食障害(過食症)
月経前症候群(PMS)、統合失調症、強迫性障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群、更年期障害、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン(心療内科、精神科、内科)を宜しくお願い致します。
Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)
監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)
参考・引用文献:『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』(文響社)