「もっと知りたい!漢方薬~健康は五行にあり~」
医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
これまでの記事で証のタイプ別おすすめ料理をご紹介してきましたが。
皆さん実は…食材にはその性質がもつ「五性(ごせい)」と味と作用を表す「五味(ごみ)」も存在しているんです。
この五性や五味は以前ご紹介した五臓六腑の五臓五腑(三焦除く)とも関連しており。
更には季節を5つに分けた「五季(ごき)」とも繋がっています。
このように5つが互いに影響し合うことを「五行(ごぎょう)」と言うのです。
今回は食材に関係が深い五性、五味、五季について取り上げながら、五行についてご説明していきます。
まず、先ほどから文章にも出ている「五行」これが今回のテーマでもあり漢方理論を支える柱です。
それぞれに連動し、互いの働きを促進(相生(そうせい))したり、制御(相克(そうこく))したりします。
これが「五行説(ごぎょうせつ)」です。
これに対応する季節が「五季(ごき)」
日本でもなじみ深い春夏秋冬と季節の変わり目を表す「土用(どよう)」を足したものです。
土用の丑の日、は夏だけかと思いきや実は年に4回あります。
もっと分かりやすく言うと、立春や梅雨、初夏等全ての季節の変わり目を含んでいます。
続いて、食べ物の味と作用の「五味(ごみ)」
「酸(さん)」、「甘(かん)」、「辛(しん)」、「苦(く)」、「鹹(かん)」に分けられ。
五行説では全ての食物がこの5つのどれかの属性を持っているとされています。
それぞれをまとめると以下の通りです。
縦の並びが関係しているもの同士です。
例えば木の縦並びで見ると、春は肝が悪化しやすく。
悪化すると酸の味のする食べ物が食べたくなる、と言う見方です。
そして、更に食べ物の性質の「五性(ごせい)」
これは、「熱(ねつ)」、「温(おん)」、「平(へい)」、「涼(りょう)」、「寒(かん)」に分けられます。
ここで大事になってくるのが「経絡(けいらく)」と「帰経(きけい)」
経絡は全身の伝達経路のこと。
食材や生薬で得た効果はこの経絡を通って体中に行き渡ります。
そして、どの五臓六腑に行き渡るのかを表したのが帰経です。
帰経は食材が一つだけ持つものではなく複数の帰経を持つものもあります。
例えば飲んだり食べたり大活躍の梅は1つで4つの帰経を持ってるんですよ。
このように五行をそして、その繋がりを知ることで食材を知り健康に役立てることが出来ます。
五行の根本的考えは「バランス」!
どこかが多すぎてもどこかが増えすぎてもいけません。
食生活を見直すと同時に、食べているその食材にも是非目を向けてみてください。
心療内科、精神科において、漢方薬による治療をご希望の患者様。
このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、ご受診をお待ちしております。
出典:新版 毎日使える薬膳&漢方の食材辞典 阪口珠未著 ナツメ社
出典:現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖症状からチャートで選ぶ漢方薬 杉山卓也著 SHOEISYA
参考資料:「Kampo View」https://www.kampo-view.com/