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「『メンタルリハーサル』について教えて下さい」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

メンタルリハーサル」は、「イメージ療法」の一種とされていますスポーツや芸事の習得や、技能の向上をはかる手段として、実際の練習とは別に、頭の中で実際に練習をしているかの様に想像を繰り返す方法です。

 

 

メンタルリハーサルは、1960年頃、成瀬悟策氏らが心理面接の中に取り入れたのが始まりとされています。メンタルリハーサルは、一般に言われるメンタルトレーニングではなく、むしろ技術系のトレーニングの一種であるとも言われています。

 

 

メンタルリハーサルでは、自分の取るべき行動をビジュアライズ(=その時の光景と自分の体の動きを頭の中でくっきりと思いうかべることさせ、心の中で、前もってリハーサル(予行演習)を行います。メンタルリハーサルは、スポーツ選手のトレーニングや軍事訓練、医学の治療(不適応行動や神経症圏の疾病の治療など、様々な分野で用いられており、その有効性が証明されています。

 

 

メンタルリハーサルにおいて、新しい技能の習得や、不適切な箇所の修正は以下のように行います(①→②→③

 

 

① まず、熟達した演技者の映像(ビデオやDVD、動画等)を繰り返し見たり、理想的な演技を繰り返し思い浮かべたりすることを通して、自分の頭の中で、視覚的なイメージが描けるようにします。

② 次に、自分をその演技者に置き換えたイメージを描き、自分がその演技(あるいは行動)を行なっている視覚的なイメージだけではなく、その時の運動感覚や、取り組む時の心理的な感触を、頭の中で、出来るだけ実際に近い形で思い浮かべます(=擬似体験)。

③ このようにして、自分の演技や問題点を修正したイメージを、頭の中で繰り返し体験します。

 

 

メンタルリハーサルが成功する条件として欠かせないことは、問題とされている場面や自分の状況を出来るだけ詳細にイメージ化することだと言えます。ひとつひとつの動作を、出来るだけ鮮明に映像化することによって、大量の好ましいデータを潜在意識に送ることが可能になるのです。

 

 

また、メンタルリハーサルの利点としては、メンタルリハーサルを行なうのには場所を選ばない、ということが挙げられます。通勤・通学の電車の中でも、あるいは、就寝前のベッドの中でも行えます

 

 

自分自身で頭の中に成功のイメージを作り出し、頭の中をそのイメージで満たすことができれば、周囲のことは気にならなくなり、また、そういう状態を作ることが目的の一つでもあります。即ち、集中力のトレーニングにもなるのです。

 

 

映画や小説を鑑賞する際、面白い場面や悲しい場面で、ストーリーに完全に引き込まれ、あたかも自分がその場面にいるかのような錯覚に陥ってしまう場合があります。メンタルリハーサルの訓練は、自分を意図的にそういう状態にする訓練だとも言えます。頭の中の情景に集中できれば、実際にその状況を行なう場所に行かなくとも、その場にいるような感覚になれるのです。

 

 

 

当院では、不安症適応障害をはじめ、

うつ病、躁うつ病(双極性障害)、強迫症、

睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、心身症、

パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。