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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「月経前不快気分障害(以降、PMDD)」を端的に表現するならば、「月経の前だけうつ病になってしまう精神疾患である」と言えるでしょう。もっと言ってしまうと、「月経の前ごとに(非定型)うつ病を呈する疾患」です。
PMDDの患者様は、月経前以外の時期員は、PMDDではない他の女性と同様の質の高い生活(QOL)を送ることが出来ますが、月経前の数日から2週間にわたり、うつ病の抑うつエピソードと同様の重篤な精神症状が出現することにより、仕事(職場)、学校、家庭などでの日常生活や人間関係に、大きな支障を来たしてしまいます。
PMDDで見られる抑うつ症状は、その殆どが、通常の定型うつ病のものとは異なり、むしろ非定型うつ病に見られるような症状、例えば過食や過眠などといったものを伴うことも特徴です。そして、これらのPMDDの症状は、月経が始まると共に、全てが速やかに改善し、月経の後の1週間は、ほぼ完全に症状が消失していることも特徴です。そして、次の月経前にも、再び同様のPMDDの諸症状が現れます。適切な治療が行われなければ、このサイクルが1年以上に渡って続く疾患がPMDDなのです。
PMDDの症状は、多くの患者様の場合、月経の7日~10日前頃に出現し、その後は月経日に向かって、徐々に悪化していきます。しかし、月経の開始とともに、これらの症状は速やかに消失します。通常は、月経初日または2日目までには、PMDDの症状はほぼ無くなりますが、一部の患者様では、月経3日目~4日目あたりまで、軽度の症状がある方もいます。
また、上記の期間に加えて、排卵日付近にも、抑うつ症状は出現する患者様もいらっしゃられます。このような患者様は、排卵日が過ぎると、一旦は症状が軽快されるタイプの方と、排卵日以降、抑うつがそのまま月経初日まで継続される場合(これはかなり稀なケースです)の2つのパターンが更にあるようです。
そして、月経前にみられるPMDDの症状には、精神症状と身体症状に大別されます。こちらは次回以降に改めて記載させて頂きます。
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