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職場での雑談に上手く入れません…【大人の発達障害】

職場での雑談は会話に明確な目的がある訳ではありません。ですので、話題はどんどん変化していきます。例えば、最近見た映画の話から発展して、その映画で使用されていた音楽の話になっていたり、映画を見た後に食事をしたレストランの話になっていたりします。既に別の話題になっているのに、いきなり自分が話したい最初の映画の話をしても、周囲は「えっ?その話はもう終わったよ?」という反応になってしまうことでしょう。

 

 

ASDの人の場合は、興味の幅が狭く参加可能な会話が少ないために雑談に加わることが難しかったり、多様な他者の意図に無頓着であることから、自分の好きな分野となると周囲の反応を気にせずにひたすら話し続けてしまう人も少なくありません。こうなると、雑談ではなく一方的に自分が話したいことを話している状況になってしまいます。

 

 

ADHDの人の場合は、衝動性から思ったこと(時に人を傷つけるようなこと)をすぐに口にしてしまいます。しかも、相手が話し終わる前に自分の話をかぶせてしまうことも起こり得ます。

 

 

もしも、空気も読まずにいきなり会話に入ってきて、自分の話したいことだけを一方的に話したとしたら、どうなるでしょう。きっと周囲からは「自分勝手な人だな」という評価になってしまうことでしょう。割り切って、「無口キャラ」として雑談には入らないという選択肢もありますが、ここでは雑談の輪に加わるための対策を考えてみましょう。

会話は話す人と聞く人で成り立っています。これは2人で話していても、1人対多数であっても同様です。雑談に加わる場合は、まず話している人の話を聞き、相槌を打ちながら話の流れを掴みましょう。

 

 

自分が話したい話題が続いていたら、話し手の話が終わるタイミングで会話に加わります。その際に注意したいことは、自分ばかりが話し過ぎないことです。やっと話せる!とばかりに一気に自分の言いたいことをまくしたてないようにしましょう。相手が30秒話したのであれば、自分も30秒…というように同じ分量になるようにしましょう。

 

 

楽しそうにしているので、一緒にその話の輪に加わりたい場合は、無理に自分から話をする必要はありません。話している人の方に顔を向け、笑顔で頷いているだけで十分なのです。

 

当院(新宿ペリカンこころクリニック)では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。

 

 

ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ASDやADHD)の可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

参考引用文献:林寧哲監修ちょっとしたことでうまくいく発達障害の人が会社の人間関係で困らないための本