人との繋がりが充分に築かれていない状態では、いくら気持ちを沈ませない強さがあると自負していても、沈んでしまうということは、誰にでも容易に想像がつくことでしょう。それなのに、余りにも多くの人々が繋がりの力を十分に活用していないのは、忙し過ぎるからであったり、繋がりの持つ力が軽視されてしまっているからでしょう。
私たちは皆、繋がりの持つ力をもっと頻繁に活用してよいのであり、それがもたらす心身への効能は、非常に多くの科学的知見によって裏付けられているのです。ですから、出来ることなら、繋がりに溢れた人生にしてみましょう。
思い遣りのある態度が子どもを育て、大人のこともまた育てるのです。多様な繋がり、深い繋がりに満ちた人生こそ、自分自身や家族に与えることのできる最も豊かな贈り物です。繋がりには様々な形がありますが、そのアイディアを以下の一覧でご紹介します。この一覧には、明白なアイディアもあれば、少々型破りなものもあることでしょう。一つからで良いので、何か試してはみませんか?
★なるべく家族で食事をしましょう。家族で夕食をとることには驚くほどの効果があると実証されています。学力テストの点数まで上げる効果があるくらいです。家族以外の知り合いとも、食事を共にしてみましょう。夕食の時間を食事をするだけではなく、親交も深められる機会に出来れば素晴らしいです。
★自分にも家族にもアレルギーがなく物理的環境にも問題がなければ、ペットを飼ってみましょう。きっとあなたに愛情を返してくれることでしょう。
★周囲の人たちに積極的に挨拶をしてみましょう。また、相手の話を丁寧に聴く癖をつけましょう。
★2人以上の良い友人と定期的に連絡を取り合ってみましょう。毎週、時間を決めて近況を伝え合う電話をするのでも良いですし、軽いランチを一緒にするのも良いでしょう。このような定期的な機会は、そのうち親愛のカンフル剤として本当に待ち遠しいものとなることでしょう。
★子どもにお泊りをさせましょう。孫がいる人なら自宅に招くのも良いでしょう。
★毎週少なくとも30分間、何事に邪魔されずに子どもと1対1で過ごす時間を確保しましょう。予定は決めず、子どものやりたいことを何でもやれう時間にします(ただし、安全・合法で、お金が掛かり過ぎないものにします)。児童精神科医のピーター・メッズ博士はこれを「特別時間」と呼んでおり、親子関係や子どもの帰属感と愛情への満足感に魔法のような効果をもたらすと指摘してしています。
★抑圧された怒り、憤りとさよならをしましょう。つまり、他人のことも自分のことも許す練習をしるのです。この練習は車に給油をするのと同じくらいの頻度で行います。やり方は様々ありますが、自分に合った方法を見つけるようにしましょう。“許す”といっても、相手の行為を大目に見る必要はなく、単に自分が囚われていた怒りを手放すだけでも良いのです。
★毎日、感謝することがないかと探してみましょう。陳腐に聞こえるかもしれませんが、これには本当に効果があります。感謝できることをリスト化してもよいですし、考える時間を持つだけでも良いです。どちらの方法でも、心が軽くなり、ポジティブになることができます。
★人を褒めるように努めてみましょう。抵抗を感じるかもしれませんが、自分の良いところに誰かが気づき、伝えてくれたらどれほど嬉しいか、考えてみて下さい。そうした思い遣りを、ぜひ自分の方から人に示してみましょう。
★自然の中に散歩に行きましょう。一人で行っても良いですし、誰かと一緒でも構いません。
★一人で悩まないようにしましょう。もちろん、誰と一緒に悩むか(相談するか)は慎重に選ぶ必要がありますが、適切な人と一緒に考えれば、悩みはすぐに問題解決のチャンスになることでしょう。場合によっては、悩みを手放し、ともに笑い合えるような状態に変わるかもしれません。
★ニュースを見て動揺したり、怒ったりしやすいなら、ニュースに触れる時間を最小限にしましょう。但し、見ていた方が世界と繋がっている感じがするのであれば、見るのはやめないでおきましょう。
★あなたが何と闘っているにせよ、より良くなることを目指して、こんなにも頑張っている自分を労ってみましょう。言い換えれば、自分の向上心との間に繋がりを持つようにして、向上のために励んでいる自分を褒めてあげましょう。
★自分にとって大事な繋がりを持つようにし、それを心の拠りどころにして、日々意識しつつ、過ごすようにしましょう。
★自分のご先祖のことを知ってみましょう。過去帳を調べても良いですし、年長の親戚に話を聴くのも良いでしょう。話を聴くことで、その親戚とも繋がれるので、より一層良い効果があることでしょう。
★これも同じようなことですが、親戚以外のお年寄りに、これまでの人生を詳しく聴いてみましょう。これは、素晴らしい小説を読んでいるかのような体験になります。
★夢を紡ぐ人と繋がり、夢を壊す人を避けましょう。
★子ども(または自分)に対して、自分自身が与えられないものを与えてくれる存在を常に探すようにしてみましょう。
★自分にとってのメンターを探してみましょう。先生やコーチ、家族ぐるみの友人など、理解を示した上で鼓舞してくれる人を見つけられると、本当に可能性は無限大になります。
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Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)
参考引用文献:『ADHD2.0 特性をパワーに変える科学的な方法』