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【医師監修】発達障害と摂食障害は合併しやすい!?

これまで、摂食障害は思春期の女性特有のものだと考えられてきましたが、近年、発達障害との合併が注目されてきています。摂食障害の患者様のうち、約5%が自閉スペクトラム症(ASD)を、2~18%が注意欠如・多動症(ADHD)を合併するという報告があります

 

 

発達障害の中でも、パターン化した行動や強いこだわりの特性のあるASDの子どもは、特に好き嫌いや偏食などの食行動の問題が現れやすいと報告されています。実際に、ASDと診断された子を持つ親の60%以上から、強い好き嫌いを経験しているという報告や、食べられるものの範囲が狭く、食事用具へのこだわりや厳密な食事時間の要求が多いという報告もあります。

 

 

摂食障害と発達障害との合併の特徴としては、食事内容やカロリー、食事方法や食事時間、食べる順番などへの強いこだわりといった摂食障害特有の症状に加え、痩せ願望などの強いこだわりが併存すると言われています。

 

 

神経性やせ症(AN)のために何度も繰り返し入院をされた人の37%が、ASDを併存しているか、ASD特性を持っていると報告されています

 

 

一方、注意欠如・多動症(ADHD)の人は、不注意や衝動性の高さが影響し、過食性障害(BN)の合併が多いと言われていますこれは、不注意から、規則的な食事時間を設けることが困難だったり、自らの空腹感や満腹感に鈍感になってしまうことが原因だと考えられています。

 

当院(新宿ペリカンこころクリニック)では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。

 

ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ASDやADHDの可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)

参考引用文献:Newton別冊『精神科医が語る発達障害のすべて 改訂第2販