コラム
News

【医師監修】発達障害って診断されちゃいました、ショックです・・・

発達障害はそれぞれが併存しやすいと言われれいます。そのため医療機関によって、診断名が異なることがあります。Aという病院では自閉スペクトラム症(ASD)と診断されたのが、BというクリニックではADHDと言われた、というケースは珍しくありません。

 

 

医師によって見立てが異なれば、患者様が混乱されてしまうのは当然ですが、そもそも発達障害は明確に区別できるものではありません。ですから、診断名にはあまりこだわり過ぎない方がよいでしょう。それよりも大事なことは、自分の特性をよく理解し、どのような生き方が自分らしさを発揮できるか、ということに目を向けることです。

アセスメントをきちんと受け止める

アセスメントとは、日本語では「評価」や「査定」と訳されます。この言葉が、発達障害に関して用いられる場合は、「その人の状態像を理解し、どのような支援が必要か、将来的に予測される問題はどのようなことか等を検討したり、支援を行った結果を評価したりすること」をアセスメントと呼びます。

 

 

通常、予測不可能な未来について深く考えることがしませんが、発達障害の人は、「これからこの先どうなるのだろう、自分はどのように生きていけばいいのだろう」と強い不安を抱く傾向があります。そうした不安を和らげるためには、アセスメントを受けて、自分自身の能力や他人から見た自分の評価を知ることは、とても有意義です。

 

 

アセスメントを行うのは、医師ばかりとは限りません。家族や友人、職場の人など身近な人に評価してもらうことも大切です。そうすれば、自分が思い描く自己像と、他人から見た自分の姿との違い(ズレ)を知ることができ、欠点や優れている点がより鮮明に浮かび上がってきます。

自分の欠点を全て修正しようと思わない

発達障害の人は、皆と同じようにできない自分に劣等感を抱き、自信を喪失してしまいがちです。しかし、自分の短所も長所も含めて「自分の個性」と捉えるようにしましょう。

 

 

例えば、自分に自信が持てない人は、相手に気を遣いすぎて、ごく親しい人に対しても敬語で話しかけたりすることがあります。相手はそれを不自然に感じ、「そんなばかていねいな態度はおかしい」と本人に指摘します。しかし、この丁寧すぎるという特性は、ホテルやデパート関係などの仕事に就く人にとては、むしろメリットとなり得るかもしれません。「いらっしゃいませ」と深々と丁寧に頭を下げられて不快に感じる人はいないからです。

 

 

また、「自分の好きなことには驚くほど集中するが、それ以外のことには余り関心を示さない」ことを欠点と指摘する人もいますが、何でも器用にこなすマルチタイプだけが優秀とは言い切れません。1つのことに対して専門性の高い知識を沢山持っていることは、欠点どころか高く評価される職種や分野はたくさんあります。

 

 

現代はとにかく、人に後れをとりたくない、皆と同じでなければという「横並び意識」が強まっていますが、「人と違っていてもいい」と受け止め、欠点をすべて修正しなくてはいけないとは考えないようにしましょう。

このコラムを読まれまして、気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、どうぞ当院まで、
お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院(新宿ペリカンこころクリニック)では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。

 

 

ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ASDやADHDの可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。

 

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)

参考引用文献:中山和彦・小野和哉著図解 よくわかる大人の発達障害(ナツメ社)