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【医師監修】年末年始の衝動買いをしないためには!?【大人のADHD】

ショッピングが趣味という人は結構多いと思います。実際に購入までしなくても、憧れのブランド品や季節のアイテムをあれこれ眺めているウィンドウショッピングだけでも、楽しい気持ちになってきます。ですが、注意欠如・多動症(ADHD)の人の中で「新奇性探究」の傾向が見られる方は、趣味のショッピングも身近な人々が注意深く見守ってあげる必要があります。

 

 

何故なら、この「新奇性探究」の特性は、興味や関心の対象が目まぐるしく変わり、目新しいものに惹かれやすいため、少しでも魅力を感じたり、「欲しい!」と思ってしまうと後先考えずに飛びついてしまう傾向があるからです。

 

 

一方で、「新奇性探究」は移り気な一面もあるため、購入してもすぐに飽きてしまい、また新たな高揚感を求めて別の品物に興味が移ってしまうことも少なくありません。ショッピングだけでなく、お酒やネットにハマって身を持ち崩したり、依存症になったりするのも怖いところです。

 

 

このように衝動的に買い物を繰り返してしまう傾向が見られる場合、家族など身近な人たちと協力して、ご自身の「買い物ルール」を決めてあげるといいでしょう。

 

例えば、毎月のショッピングの上限額を決める、買い物は必ず現金払いにしてクレジットカードなどは持ち歩かない、商品を手にとる前に「これは本当に必要なのか」「同じような物をすでに持っていないか」をよく考えるといったルールを予め決めておくことで、買い物の衝動を抑え、無駄な出費を大幅に減らすことが出来ます。

家族のサポートで衝動買いを防ごう

買い物の欲求は突然襲ってきます。一旦スイッチが入ると商品のことばかり考えてしまい、簡単に欲求を抑えられるものではありません。そこで事前に設けておくのが「買い物ルール」です。収入に応じたルールを決めておきましょう。

 

➡買い物ルールの一例

★クレジットカード、キャッシュカードは持ち歩かない
★買い物は必ず現金で支払う
★買う前に「本当に必要か」をしっかり考える
★迷った時は買わずに、家族に相談をしてみる
★自由に買い物を出来る一月の上限額を収入に応じて決めておく

 

多少不便に感じられるかもしれませんが、クレジットカードやキャッシュカードは現金と同じです。持っていると際限なく買い物ができてしまうので、普段は家族に管理してもらい、必要な時だけ渡してもらうようにしましょう。

 

また、便利なスマホ決済アプリですが、これらも浪費の原因になります。アプリを削除するだけでなく、すぐに利用再開できないよう退会手続きもしておきましょう。

 

年末年始商戦に気を付けて!

年末年始は、「歳末一斉セール」「年明けクリアランスセール」、そして「福袋」といったような、購買意欲が高められる工夫が随所で行われています。特に「赤色」の文字は色彩心理学的にも、「人間の購買意欲を高める色」とだというのは周知の事実であり、例え定価であっても「赤色」表記にするだけで、人は「あれ?安くなっているのかな?買おう!」と思ってしまいます。

 

他にも、「限定」「残りわすか」「タイムセール」という言葉も、一層購買意欲を高める言葉であることは、社会心理学では周知の事実でもあります。よって、もしADHDの人でかつ「新奇性探究」の傾向が強い方は、年末年始のお買い物やショッピングには、一層気を引き締められることをお勧め致します。

 

 

当院(新宿ペリカンこころクリニック)では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。

 

ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ADHDやASDの可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。

 

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)

参考引用文献:湯汲英史監修心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話(日本文芸社)