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家事が苦手なADHDの人へ ライフハック7選!

ADHDの人にとって、家事は永遠の課題です。なぜADHDの方は、家事が苦手なのかというと、それは、家事の多くが複合的な作業であるからです。

 

 

例えば、一言で「洗濯」と言っても、汚れた服を洗濯機に入れる、洗濯機を回す(洗剤、柔軟剤を計って入れる)、干す、取り込む、たたむ、しまう…というように、いくつもの作業工程があります。「洗う」は出来たとしても、「干す」作業が苦手がゆえに洗いっぱなしで放置されたり、「取り込む」「たたむ」が億劫でずっと干しっぱなしになってしまっていたり…。そうしたことが続くと必要以上に労力を感じ、苦手意識がついてしまうのです。

 

 

また、料理は基本的に、煮込む前に野菜を切ったり、パスタを茹でながらソースを作ったりと、ADHDの人が苦手とするマルチタスクの連続です。

 

 

では、片づけや掃除はどうでしょう。部屋が散らかっていると、まずどこから手をつけたらよいのかが分かりません。たまたま手に取った雑誌を読み出してしまい、片づけが一向に終わりません。汚い部屋を見るのも嫌で、見ないようにするうちに、あれよあれよという間に、汚部屋の完成です。

 

 

そこで、ここではADHDの人の家事との向き合い方についてお話します。まず大前提として、頑張って家事ができるようになろう!」と思わないことです。もしあなたが、様々な努力をされた上で、「どうしてもできない」と悩んでいるならば、そこは無理することはありません。家事ができなくての人は楽しく生きて行けます。

 

 

もちろん、ADHDだからできない」と、何の努力もせずに投げ出すのは厳禁です。まずは自分なりに取り組んでいましょう。それでも上手く回らないようであれば、強い意志で「できないのだ」という自覚を持つ勇気も必要です。さもなければ、「がんばる→また出来なかった」の繰り返しが、徒にあなたの自己評価をどんどん下げていくことでしょう。

 

 

また、中途半端に「できるはず」というスタンスでいると、周囲に余計な迷惑を掛ける場合もあります。「自分なりに頑張ったけれども、洗濯だけはどうやってみても無理」と予め言ってくれていた方が、周りの人も色々と対応のしようがあるからです。家事ができなくても、工夫次第で生活は上手くまわります。あなたの人間性に何の落ち度もないということを忘れないで下さい。

 

 

そうして「家事ができない」となった場合は、心掛けるべきことがあります。それは、どうすればできるか」ではなく、「どうすればやらなくて済むか」を考えることです。あらゆる家電が良い例です。元々は人がすべて手作業で行ってきたことを、素晴らしき文明の利器によって、現代ではスイッチひとつで賄えるようになりました。

 

 

家事の基本的な考え方は、「どうすればやらなくて済むか」を考え、工夫することです。楽をしたり手間を省くことは決して悪いことではばく、非常にスタンダードな家事との向き合い方なのです。

 

 

そこで、ADHDの人にとって苦手とされる工程をいかに省くか、家事の上手な手抜き法を、以下に挙げさせて頂きました。苦手な家事で実践できそうなものがあれば、ぜひ取り入れられてみて下さい。

➊ 文明の利器に頼りましょう

 

ぜひ文明の利器に頼って下さい。あらゆる調理を自動でやってくれる電気鍋や、アプリと連動して買い物管理をしてくれる冷蔵庫など、最近の家電は本当に便利です。中でも、ADHDの人にお勧めの三種の神器は、乾燥機付き洗濯機」「食洗機」「ロボット型自動掃除機です。

 

特に乾燥機付き洗濯機は、「洗濯」の一連の作業のいずれかの工程が苦手な人にとって、作業の負担から解放される非常に便利なツールです。

 

➋ 料理の下準備を省きましょう

 

お米を洗うのが面倒ならば、「無洗米」を使えば一気に解決です。もし普通のお米しか家にない場合も、「洗わなくちゃ」と躍起になる必要はありません。そもそもお米を洗う目的は、汚れや「ぬか」を取って臭みを無くすためです。正直、ご飯に余程のこだわりがない限り気にならない程度ですので、面倒くささが強い時には、「洗う」をスキップしても良いのです。

 

野菜の皮も同様で、大抵のものは剥かなくても食べられますし、その方が栄養価が高いものもあります(但し、じゃがいもは例外です)。カット済み野菜や、下準備が済んでいる食材を使うのも良いでしょう。このようにお米は洗わなくちゃ」「野菜の皮は剥かなくちゃ」という先入観を捨てると、調理が一気に楽になり、料理へのハードルが下がります。

 

❸ 包丁ではなくキッチンバサミをフル活用

 

包丁とまな板は、使う都度、細めに洗わなくてはいけない点が中々大変です。食器と違い、食洗器で洗えないところも悩ましいところです。この中身を解決してくれるのが、「キッチンバサミ」です。肉や魚は、むしろ包丁より使いやすいと感じる人もいるかもしれませんし、野菜も、葉物はもちろんのこと、キュウリくらいなら案外いけます。100均でも買えますが、ここが敢えてそれなりのお値段のものを買って、調理にフル活用される方をお勧めします。

 

❹ 洋服はハンガーに掛けたままでOK

 

洗濯をたたむ、しまうがしんどいという人は、洋服をハンガーに掛けて欲し、乾いたらそのままクローゼットにインすることで、おおよその労力は省けます。

 

❺「〇〇するだけ」グッズは非常に重宝

 

最近は、こすらなくても浴槽にスプレーをするだけでお風呂が洗えるものもあれば、食器も浸けておくだけ、トイレに置いておくだけ…等々、そんな「〇〇するだけ」の便利グッズが沢山あります。日々のお掃除に出来るだけ取り入れられると良いでしょう。

 

掃除に関して言いますと、掃除自体はもちろんのこと、こするためのブラシやスポンジ等の管理が案外大変です。これらを使わないでも清潔を保てるという意味でも、「〇〇するだけ」グッズは非常に使い勝手が良いと思います。

 

❻ 食材の買いだめはしない&作る品数は固定する

 

買った食材の存在を忘れて腐らせてしまう…こういった失敗を繰り返してはいないでしょうか? 節約や食品ロス回避のためにも、買いだめはやめるべきです。どんなに安くても、今日、明日で食べる分だけを買いましょう。

 

毎日の献立はまず、「何を作ろう」と考えること自体がかなり大変なので、「ご飯」「おかず」「汁物」の3品にするなど、品数を固定するのも良いでしょう。基本的には、「焼いて盛り付けるだけ」のようばシンプルな調理方法のものがお勧めです。

 

❼ 洗い物を減らす細かい手抜き技

 

皿洗い手抜き技・その①ワンパン料理を駆使する。「ワンパン料理」とは、フライパン1枚で作れる料理のことです。調味料を混ぜるのも焼くのも、全部フライパンの中で完結させますこれに、食材を切らないレシピを組み合わせると、包丁やまな板が不要になるので、洗い物がグンと減ります。

 

皿洗い手抜き技・その②:調理した鍋やフライパンからそのまま食べられてしまう料理法。お鍋や煮込みうどん等はその典型例です。

 

皿洗い手抜き技・その③:食器を使う時は、ラップを敷き、予め汚さないようにしてしまうという方法があります。その他、本当に大変な時は、使い捨ての紙皿などを活用してしまうのも、最終手段としてはありかもしれません。

このコラムを読まれまして、気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、どうぞ当院まで、
お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院(新宿ペリカンこころクリニック)では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。

 

 

ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ADHDやASDの可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

参考引用文献:やしろあずき著すごいADHD特性の使い方