以前、入眠困難や不眠症にお悩みの方に「純ココア」をお勧めさせて頂きました。ただ、「純ココア」が苦手という方は、無理をする必要はありません。今回は、寝る前に自律神経を整え、入眠しやすくしてくれるお勧めのハーブティー3種類をご紹介します。これらは全て科学的に実証されていますので、それも併せてご紹介させて頂きます。
Ⅰ.カモミールティー
カモミールティーに気分を鎮める作用があることは、昔から知られています。
イランで行われた研究で、睡眠障害のある高齢者施設の居住者の方に、1日2回、カモミールエキス200mgまたはプラセボ(偽薬を与える統制群)を投与したところ、カモミールを服用した人は、睡眠に有意な改善が見られました。別の台湾の研究によると、睡眠障害のある産後の女性は、カモミールティーを2週間飲んだ後によく眠れるようになり、うつ症状も少なくなったそうです。
カモミールの花に含まれるフラボノイド成分のアピゲニンが、脳内のベンゾジアゼピン受容体に働きかけるため、鎮静効果があると考えられています(ベンゾジアゼピン受容体は、睡眠薬・抗不安薬が作用する箇所です)。
カモミールは日本でも非常にメジャーなハーブティーのひとつですので、スーパーマーケット等でも扱っています。既にティーバッグになっているドライタイプのものが購入できます。お湯を注いで、好みの濃さになるまで2~5分蒸らしてからお飲みください。
Ⅱ.バレリアンティー
バレリアンというハーブは、様々な地域で「鎮静と安眠の薬」として古くから使われてきました。
複数の研究で、バレリアンを服用している人は、プラセボ(偽薬)を服用している人と比べて、睡眠が改善する可能性が80%高いという結果が示されています。
また、バレリアンが、リラックスを促進する神経伝達物質GABA(r-アミノ酸)の分解を止める働きがあることを示す研究データがあります。
比較的手に入り易いバレリアンティーから、まず試してみるのも良いでしょう。
ただし、バレリアンには副作用や、服用されている薬に影響ないとは言えませんので、主治医の先生に一度ご相談をされてから服用されることをお勧め致します。まずは、睡眠習慣・生活習慣の改善など様々な対策を講じてから、バレリアンティーは考えられた方が良いでしょう。
Ⅲ.パッションフラワーティー
温かいパッションフラワーティーも快眠を促してくれます。
オーストラリアの大学の研究から、軽い睡眠障害のある人がパッションフラワーティーを7日間飲んだところ、パセリで作ったプラセボのお茶を飲んだ時よりも遥かによく眠れたことがわかりました。
パッションフラワーのティーバッグや、乾燥させたパッションフラワー(お好みの濃さで飲めます)は、多くの健康食品のお店で入手することができます。
当院では、睡眠障害(不眠症)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、
自律神経失調症、パニック症、摂食障害(過食症)
月経前症候群(PMS)、統合失調症、強迫性障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群、更年期障害、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン(心療内科、精神科、内科)を宜しくお願い致します。
Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)
監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)
★参考・引用文献:『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』(文響社)