PMS(月経前症候群)には、150以上もの異なる症状があることが知られています。ほとんどの症状は多くの女性に共通しており、それには様々な原因が考えられます。
以下のリストは94項目のPMSの症状リストです。自分に当てはまる症状に印をつけてみましょう。また、症状の程度を「なし(0)・軽度(1)・中度(2)・重度(3)・極度(4)」の5段階に分けてチェックすることを推奨します。
PMSの症状チェックリスト
あなたのPMS症状を、なし=0、軽度=1、中度=2、重度=3、極度=4、のいずれかで判定してみましょう。
1 学校または仕事を休む(0・1・2・3・4)
2 肉体的虐待を加えたりまたは罵ったりする(0・1・2・3・4)
3 ニキビができる(0・1・2・3・4)
4 攻撃的になる(0・1・2・3・4)
5 お酒に弱くなる(0・1・2・3・4)
6 お酒を飲む量が多くなる(0・1・2・3・4)
7 アレルギーが出る(0・1・2・3・4)
8 怒りやすい(0・1・2・3・4)
9 不安になる(0・1・2・3・4)
10 物事に関して無関心や無感動になる(0・1・2・3・4)
11 食欲が減退する(0・1・2・3・4)
12 関節の痛みがある(0・1・2・3・4)
13 喘息が出る(0・1・2・3・4)
14 社会的活動から逃避する(0・1・2・3・4)
15 腰痛がある(0・1・2・3・4)
16 度を越えた言動をする(0・1・2・3・4)
17 腹部膨満(0・1・2・3・4)
18 乳房が張る、痛い、敏感になる(0・1・2・3・4)
19 息が苦しい、または息が詰まる(0・1・2・3・4)
20 あざができやすい(0・1・2・3・4)
21 循環器系希望の障害が起きる(0・1・2・3・4)
22 単純疱疹(ヘルペス)ができる(0・1・2・3・4)
23 頭が混乱する(0・1・2・3・4)
24 便秘になる(0・1・2・3・4)
25 無性に塩分を摂りたくなる(0・1・2・3・4)
26 甘いものが無性に欲しくなる(0・1・2・3・4)
27 涙もろくなる(0・1・2・3・4)
28 体臭がきつくなる(0・1・2・3・4)
29 気分が落ち込む(0・1・2・3・4)
30 下痢をする(0・1・2・3・4)
31 方向感覚がおかしくなる(0・1・2・3・4)
32 めまいがする(0・1・2・3・4)
33 物質中毒性が増す(0・1・2・3・4)
34 てんかんの発作が起きる(0・1・2・3・4)
35 興奮しやすくなる(0・1・2・3・4)
36 目が感染症にかかる(0・1・2・3・4)
37 顔がむくむ(0・1・2・3・4)
38 失神する(0・1・2・3・4)
39 疲労感がある、または無気力になる(0・1・2・3・4)
40 ヘルペスが再発する(0・1・2・3・4)
41 緑内障になる(0・1・2・3・4)
42 罪悪感にさいなまれる(0・1・2・3・4)
43 偏頭痛(0・1・2・3・4)
44 緊張性頭痛(0・1・2・3・4)
45 動悸がする、または不整脈が出る(0・1・2・3・4)
46 じんましんが出る(0・1・2・3・4)
47 声がかれる(0・1・2・3・4)
48 のぼせたり冷や汗が出たりする(0・1・2・3・4)
49 低血糖になる(血糖値が低くなる)(0・1・2・3・4)
50 やけにエネルギッシュになる(0・1・2・3・4)
51 宗教への依存度が強くなる(0・1・2・3・4)
52 睡眠時間が増加する(0・1・2・3・4)
53 光に敏感になる(0・1・2・3・4)
54 音に敏感になる(0・1・2・3・4)
55 優柔不断になる(0・1・2・3・4)
56 自虐・自傷癖が出る(0・1・2・3・4)
57 イライラする(0・1・2・3・4)
58 理性がなくなる(0・1・2・3・4)
59 身体の節々が痛む(0・1・2・3・4)
60 足が重くなる(0・1・2・3・4)
61 孤独を感じる(0・1・2・3・4)
62 恐怖心を制御できない(0・1・2・3・4)
63 気分にムラがある(0・1・2・3・4)
64 筋肉が固くなる(0・1・2・3・4)
65 吐き気がする、または嘔吐する(0・1・2・3・4)
66 整理整頓されていないと気がすまない(0・1・2・3・4)
67 卵巣が痛む(キリキリする)(0・1・2・3・4)
68 突然パニックになる(0・1・2・3・4)
69 妄想が起きたり、疑い深くなったりする(0・1・2・3・4)
70 判断力が鈍る(0・1・2・3・4)
71 不器用になる(0・1・2・3・4)
72 集中力が低下する(0・1・2・3・4)
73 落ち着かない(0・1・2・3・4)
74 耳鳴りがする(0・1・2・3・4)
75 自信を喪失する(0・1・2・3・4)
76 自尊心を喪失する(0・1・2・3・4)
77 性欲が減少する、または逆に増加する(0・1・2・3・4)
78 震えが出る(0・1・2・3・4)
79 鼻腔の問題・異常(0・1・2・3・4)
80 不眠症になる(0・1・2・3・4)
81 喉に痛みを感じる(0・1・2・3・4)
82 少量の不正出血がある(0・1・2・3・4)
83 自殺したくなる(0・1・2・3・4)
84 手や足、足首が腫れる(0・1・2・3・4)
85 緊張する(0・1・2・3・4)
86 喉が渇く(0・1・2・3・4)
87 手足がヒリヒリする(0・1・2・3・4)
88 物を投げたり叩きたい衝動に駆られる(0・1・2・3・4)
89 排尿が減少する、または増加する(0・1・2・3・4)
90 膣がヒリヒリする、かゆい(0・1・2・3・4)
91 静脈瘤障害がある(0・1・2・3・4)
92 視力障害がある(0・1・2・3・4)
93 体重が増加する(0・1・2・3・4)
94 人と会いたくなくなる(0・1・2・3・4)
ここで紹介した症状に、複数当てはまる方がいらしても決して珍しいことではありません。女性の誰もが、この時期に好きこのんで、自信を無くしたり、イライラしたり、みじめな思いをしたりしたいわけではないし、気がおかしくなったわけでもないのです。また、身体症状として、不眠症になったり、過食が起きたり、便秘や下痢になったりするのは、誰のせいでもないのです。PMSによって、少しだけ、心と身体の歯車が一時的に噛み合わなくなってしまっただけの、普通の女性たちなのです。
……もし、一旦消えたPMS(月経前症候群)の諸症状が再発すると、以前にも増してガッカリするものです。PMSへの対処法として最善なのは、その原因を見つけて、PMSを「自分なりにコントロールすること」だと言えます。
PMSは、残念ながら、ひとりでに治ってはくれません。時間経過ともに症状が酷くなっていくことさえ起こり得ます。一般的には、30代半ば頃に症状が酷くなるため、アメリカでは「30代症候群」と言われていたこともあったほどです。こうした変化を体験した女性は「早期閉経が来たのではないか?」とか、「このまま自分は気がおかしくなってしまうのではないか?」と心配してしまうのです。
PMSから解放されるためのプロセスの中で一番の難関は、その理由や原因を突き止めることです。以下に、PMSの主要因と考えられている16項目を掲載します。ご自身の心当たりとして当てはまるものはあるでしょうか?
PMS主要因16項目をチェック
1 甲状腺機能不全
2 カフェインの摂り過ぎ
3 偏った食生活(特に砂糖やノンカロリーシュガーの摂り過ぎ)
4 ビタミン・ミネラルの不足
5 エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)のアンバランス
6 睡眠障害
7 適切ではない照明・光
8 カンジタ症
9 運動不足
10 ストレス
11 食物アレルギー、食物過敏症
12 寄生虫
13 環境過敏症
14 水銀製の歯の詰め物
15 副腎皮質機能不全
16 ひどい肉体的虐待または性的虐待
上記の項目は、確認しやすいものから始まり、だんだん確認しにくいものの順に並べられています。まずは自分自身で判断してみて下さい。そして、それが不可能な場合は、医師などの専門家にアドバイスを求めてみられることをお勧め致します。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、
月経前症候群(PMS)、PMDD(月経前不快気分障害)、
自律神経失調症、心身症、更年期障害、冷え性、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、
睡眠障害(不眠症)、摂食障害(過食症)、パニック症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
統合失調症、強迫症、過敏性腸症候群(IBS)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
なお、PMSの漢方薬による治療をご希望の患者様は、診察時に医師の方にぜひご相談下さい。当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することも可能です。
Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)
監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)
参考引用文献:リネヤ・ハーン著『PMS(月経前症候群)を知っていますか?』(朝日新聞社)