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あなたは摂食障害ではありませんか?【チェックテスト付き】

摂食障害は、思春期・青年期の主として女性に多く見られる食行動の異常です。他の精神疾患と同様に、生物学的な原因については解明されていません。家族関係やその他の人間関係、社会環境、ストレスなどの影響を大きく受けると言われています。また、無茶なダイエットがキッカケとなって発症することが多いこともっよく知られています。フィギュアスケートの選手など、体重コントロールが必要な女性アスリートに摂食障害が多いことが、近年問題になっています。

 

摂食障害は拒食症(神経性やせ症)過食症に分類されます。拒食症では食事の量をどんどん切り詰めて極端に短銃が減少し、標準体重の85%以下になったらこの診断がつきます。過食症では、時にものすごく大量の食事をとっては嘔吐を繰り返すなどの行動が見られます。拒食症から過食症に移行するケースが7割近くあり、両者には「極端なやせ願望」や「肥満恐怖」が胸痛して見られるため、同一疾患と考えられています。

摂食障害の分類

アメリカの診断基準であるDSM-5の分類では、拒食症はさらに制限型過食/排出型に分かれます。制限型とは、食事の制限や過度の運動によって体重減少が起きているものの、過食/排出型とは、過食と排出行動(嘔吐、下剤、利尿薬、浣腸などで体重減少をもくろむこと)を繰り返すものを指します。

 

過食症は、神経性過食症過食性障害の2つに分類されます。神経性過食症では、過食を繰り返しながらも、体重を増やさないために嘔吐や下剤、利尿剤などの使用が習慣的にある、体型や体重を気にするため、殆どは標準体重内におさまっています。過食性障害は、過食を繰り返しつつも、嘔吐や下剤などの排出行動が見られず、肥満の人に多く見られます。

 

拒食とも過食ともつかない行動に「チューニング」があります。食べ物を咀嚼し、飲み込まずにビニール袋などに吐き捨てるという行動を繰り返すもので、これも摂食障害の一部とみなされています。

 

拒食症では命を落とすこともある!

拒食症では、ボディイメージの歪みが見られます。痩せていることは誰の目にも明らかで、標準体重をはるかに下回っているのに、本人の自己イメージは「太り過ぎ」で、さらに減量をしようと頑張ります。食事量を減らすばかりか、嘔吐や下剤などによる排出行動で、体重をさらに減らそうとする場合もあります。その危険性を指摘したり説得しようとしても応じようとしないため、家族や周囲の人との人間関係が悪化することもあります。

 

うつや不安を訴える人もいますが、過度に活動的になる人もいて、勉強や仕事、運動などをやり過ぎてしまう場合もあります。しかし、次第に体力が低下してくるとともに、活動性も低下して、日常生活にも支障をきたすようになります。

 

食事をとらないことにより、体重が極端に減少し、重症になるとBMIが15未満になることもあります。血圧や体温が下がり、月経がなくなり、便秘や足のむくみ、皮膚の乾燥などが見られます。血液検査では、脱水や貧血は当然として、白血球の減少や肝機能の異常などが見られ、ここに嘔吐や下剤乱用が加わると、血液中の電解質も異常になります。さらに重症になると脳が萎縮したり、腎臓の機能が落ちたりすることもあります。血糖値が低下して意識障害になり、命を落とす人もいます。死亡率は6~20%と言われています。

なぜ、摂食障害になるの?

摂食障害の患者様は、母親との関係に問題を抱えているとする仮説があります。例えば、母親との情緒的交流の不足から、自分自身の身体についての適切なイメージが育まれなかったという説や、過保護過干渉な母親の支配を嫌って、母性の発現である食事の世話を拒むとする説があります。他にも、母親への依存関係を続けるために、身体の性的な成熟を嫌って食事を制限するという説もあります。どれも原因を母親のせいにし過ぎているという印象はありますが、家族の影響が大きいのは間違いないでしょう。家族関係に葛藤を抱えている場合、家族療法的な対応によって症状が完全することはあり得ます。

 

摂食障害は、食事とは関わりのない精神症状や、他の精神疾患との合併が多いとも言われています。特にリストカットなどの自傷行為、アルコールや薬物の乱用、抜毛などの習癖などがあり、その基本には衝動性が高い、あるいは、強迫的なパーソナリティ傾向が見られるとも言われています。

摂食障害の治療

拒食症の場合は、体重が標準体重の約75%未満まで低下して言う場合は、速やかな体重回復のためにも、入院治療による点滴や栄養補給を要することがあります。薬物の治療としては、少量の抗うつ薬が用いられる場合もありますがその有効性は十分には確立されていません。

 

食事のコントロールを目指して、認知行動療法や対人関係療法が行われることがあります。また、家族に問題があると疑われた場合には、家族療法が行われる場合もあります。

 

精神療法を行う場合、治療者が「食事量を増やす(減らす)」ことや、「体重のコントロール」にこだわり過ぎると、十分な信頼関係が築かれず、逆効果になる怖れがあります。摂食障害の症状は、表面的な問題に過ぎず、その背景には、孤立感や強い不安感、自己肯定感や自尊心の欠如などが見られることが多く、そのレベルでの回復が必要な場合も少なくありません拒食や過食の症状とうまく「共存」するという回復の形もあり得ます。

 

精神科医といった専門家による治療のみならず、当事者による次女グループに参加して仲間との繋がりを持つことで回復を助けることもあります。日本ではNABAの活動が有名です。

摂食障害の自己チェックシート(SRSED)

この頃のあなたの様子について以下の質問の各項目に答えていましょう。「いつもそう=4点、しばしばそう=3点、時にそう=2点、まったくない=1点」で回答します。

 

1 嫌なときや辛い時、沢山食べてしまいますか?【4・3・2・1】

2 丸1日、全く食事を摂らないことがありますか?【4・3・2・1】

3 食事に関する問題で、仕事や学校に差し支えが出ていますか?【4・3・2・1】

4 毎日の生活が、食べ物のことについやされてしまっていますか?【4・3・2・1】

5 食べ出したらやめられず、お腹が痛くなるほど無茶食いしたことはありますか?【4・3・2・1】

6 食べ物のことで頭がいっぱいですか?【4・3・2・1】

7 自分の食べ物の食習慣を恥ずかしいと思いますか?【4・3・2・1】

8 食べる量をコントロールできないのではないかと心配になりますか?【4・3・2・1】

9 無茶食いをするために、はめを外してしまいますか?【4・3・2・1】

10 食べ過ぎた後、後悔しますか?【4・3・2・1】

11 あなたがもっと食べるよう、家族が望んでいるように思いますか?【4・3・2・1】

12 皆から痩せていると言われますか?【4・3・2・1】

13 皆が少しでも多く、あなたに食べさせようとしていますか?【4・3・2・1】

14 体重が増えすぎるのではないかと心配をしますか?【4・3・2・1】

15 下剤を使っていますか?【4・3・2・1】

16 食べたカロリーを使い果たそうと一生懸命に運動していますか?【4・3・2・1】

17 いつも胃の中を空っぽにしておきたいと思いますか?【4・3・2・1】
18 食後、嘔吐したい衝動にかられますか?【4・3・2・1】

19 体重が増えるのが怖いと思いますか?【4・3・2・1】

20あなたは体重にとらわれ過ぎていると思いますか?【4・3・2・1】

21 皆から非常にやせていると思われていますか?【4・3・2・1】

22 食後、嘔吐しますか?【4・3・2・1】

23 普通にご飯を食べた後でも、太った気になりますか?【4・3・2・1】

24 少しでも体重が増えると、ずっと増え続けるのではないかと心配になりますか?【4・3・2・1】

25 自分は役に立つ人間で、皆に必要だと思われていると思いますか?【4・3・2・1】

26 この頃、異性に対して関心がなくなりましたか?【4・3・2・1】

27 非常に多くの量を無茶食いしたことがありますか?【4・3・2・1】

28 ……もしそうなら、その時みじめな気持ちになりましたか?【4・3・2・1】

 

★摂食障害を自分でチェックするには?★

1,4,5,6,7,8,9, 11,12,13,21,27の計12項目の合計点を算出します。この計12項目の合計点が23点以上であれば、摂食障害の可能性があります。

 

それ以外の項目は、摂食障害の分類や、重症度を評価する時などの参考に用いらます(※正確に判断するためには、必ず医療機関を受診して下さい)。

このコラムを読まれまして。
気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

当院では、摂食障害をはじめ、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、
適応障害、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、
パニック症、自律神経失調症、冷え症、心身症
月経前症候群、強迫症、過敏性腸症候群など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

参考引用文献:Newton別冊精神科医が教える心の病の説明書