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【心療内科Q/A】 「境界性パーソナリティ障害と『怒り』の関係性」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

境界性パーソナリティ障害の方の特質による「怒り」は、他の「怒り」の行動と比べて、現れ方が些か異なりますまず、大抵が突然であり、予測が立たず、爆発的です。苛立ちが徐々に募っていく様子は観察できないかもしれません。

 

 

例を挙げるならば、線路がきしみ始める訳でもなく、警笛も鳴らずに、いきなり目前に轟音を響かせる巨大な列車が現れるようなものです。ゼロから100に、氷から火に、まるで稲妻のように瞬時に、周囲からすると、何気ないような発言や行動がキッカケとなって、その方は豹変してしまうかもしれません。よって、怒りを向けられた相手からすれば、当然驚きます。ところが、こうした急激な怒りに、実は境界性パーソナリティ障害の方ご自身も、同じくらい戸惑うことがあるのです。

 

 

境界性パーソナリティ障害の方の、まるでジェットコースターのように不安定な感情は、興奮した怒りから沈黙の引きこもりまで、急転直下です。そして時として、周囲の人も、その急激な変容に対して、反射的に強い感情で返してしまうかもせん。怒りをぶつけられたならば、防衛的に怒り返してしまうかもしれません。逆に、相手が引きこもれば、触れないでおく方が無難であると、つい尻込みをしてしまうことでしょう。

 

 

しかし、お互いがお互いに、両極端を行き来するのではなく、せめて周囲の方が少しでも中庸で居ることが出来れば、それに越したことはありません。

 

 

境界性パーソナリティ障害の方が怒りを爆発させてしまったら、あるいは、それに連動して、周囲の方の中でも苛立ちが猛烈に高まっていることを感じられたなら、12世紀の哲学者で医師のマイモニデスの言葉を思い出されてみて下さい。

 

 

『およそ人間の備えるあらゆる性質の中で、中道(中庸)こそが正しい道です。例えば、激しく怒りっぽいことはよくありません。逆に、死人のように無感情なのもいけません。むしろ、中道(中庸)を行いましょう。気持ちを均質に保っておき、真に正当な時のために怒りはとっておきます。これが賢者の辿ってきた道なのです。』

 

 

 

当院では、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、

心身症、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

パニック障害、自律神経失調症、冷え症、摂食障害、

月経前症候群、更年期障害、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、境界性パーソナリティ障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。