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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
今まで4回に渡り「SET-UP」コミュニケーションについて記載させて頂きました。前回(第4回)では「SET-UP」コミュニケーションを使用される際の注意点(留意点)を記載させて頂きましたが、今回はそれにもう一歩踏み込んだ内容になるかと思います。
繰り返しになってしまい恐縮ですが、この「SET-UP」コミュニケーションは、境界性パーソナリティ障害の方と向き合うために開発されました。それ以外においても、ストレスが大きい状況下に置かれている方々との対話においても有用であると言われています。
境界性パーソナリティ障害をお持ちの方と向き合う際には、「言葉」が重要な役割を果たすのは今迄書かせて頂いてきた通りです。これまでは「何をどのように言うか」について注目してきました。しかし一方で、「何を言わないか」や、どのようなアプローチだと状況を悪くしかねないかについても、しっかりと気づいていることも重要です。何故なら、境界性パーソナリティ障害の方は、感受性が非常に強く、直感的な側面があるからです。よって、以下のような事柄は意識されておかれると良いでしょう。
● ユーモアを安易に用いることは避けましょう:境界性パーソナリティ障害の方は、非常に感受性が強いので、ユーモアのつもりで用いた言葉を、時として「からかわれている」と受け止めてしまうことがあります。笑いを引き出そうという試みも、「自分の気持ちが軽く扱われている」と感じてしまわれるかもしれません。
● 反応の大きさを問題にはしないで下さい:境界性パーソナリティ障害の方の反応の大きさ(強さ)を問題にすると、本題からどんどん逸れていってしまいます。
● すぐに解決策を提示するのではなく、まずは話に耳を傾けましょう:相手が悩んでいたり困っていたりすると、私たちはどうしても「何か有用な解決策(打開案)を提示してあげたい」という気持ちになってしまいます。しかし、その気持ちは一旦脇に置いて、まず相手の話にじっくりと耳を傾けてみましょう。
当院では、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、
心身症、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
パニック障害、自律神経失調症、冷え症、摂食障害、
月経前症候群、更年期障害、統合失調症、強迫性障害、
過敏性腸症候群、境界性パーソナリティ障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングご希望の患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。