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【医師監修】行動変容をステージモデルで理解しましょう

(更新 2024年7月1日)

 

A.

医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)です。

 

 

人は「変化に対する具体的な行動(第一歩)」を踏み出し始める前から、実は既に「内面(心)」の中で変化が開始されて、ある程度の段階まで進んでいると考えるのが、「行動変容のステージモデルです。これは、1980年代に「禁煙」に対する生活習慣改善の研究から始まったモデルですが、今では禁煙に限らず、様々な生活習慣改善にも共通するモデルとされています。ダイエット、断酒行動、そして節ネットにも当てはまる考え方です。

 

 

この「行動変容のステージモデル」を知っておくことのメリットは主に2つあります。まずは実際に何か行動変容をしたいと考えられている方(=「対象者」)にとって、自分が現在どの程度の意識段階の位置にいるのか、把握することが出来ること。もう1つは、その対象者を援助する側(=「サポーター」や「治療者」)が、その対象者の現在の段階に合わせて、最適なサポートや治療を準備しやすくなることです。

 

 

「行動変容のステージモデル」では、そのステージを以下の5に分けています。

 

 

1.無関心期:行動を変容することに全く関心のない時期

2.関心期:行動を変容することに関心はあるが、実行する意思はない時期

3.準備期:行動を変容したいと思っている時期

4.実行期:行動変容が見られるが、持続する自信がない時期

5.継続期:行動変容が見られ、維持にも自信がある時期

 

 

同じ5つの時期について、次のように説明することも可能ですので、よりしっくりくる方で認識して頂いて構いません。

 

 

1.無関心期:現在実行していないし、関心がない

2.関心期:現在、実行していないが、6か月以内に実行しようと考えている

3.準備期:現在、実行していないが、すぐに実行しようと考えている

4.実行期:実行し始めて、6か月未満である

5.継続期:実行し始めて、6か月以上継続している

 

 

 

人の心はアンビバレンツ(両価性)を常に持っており、「そのままでいたい」と「変わりたい」といった“心の揺らぎ”を感じていますそして、このステージ中において、そのバランスがちょうど半々になるのが「実行期」だとも言われています。行動が変容し始めた時期である「実行期」に周囲が如何に支援やサポートをしていくかの重要性がここにあると言えるでしょう。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、ゲーム障害、ネット依存、スマホ依存をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、心身症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、社交不安障害、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)を宜しくお願い致します。

 

監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)