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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
皆様の心の中にある願望や理想を象徴する言葉が「べき」です。皆様は、普段の日常の生活の中で「~~であるべき」「~~するべき」という言葉を思い浮かべたり、使ったりされることはありませんか?
私たちは、相手に対して「こうあって欲しい」「こうであるべきだ(はずだ)」等といった自分自身の願望や理想が叶わなかった時、そうならなかった時に「怒り」を感じてしまいます。そしてこの「べき」は「譲れない価値観」「信条」と言い換えることもできます。例えば、以下のようなものが一例として挙げられることでしょう。
・時間は守るべきである
・挨拶はするべきである
・電車内では化粧をするべきではない
・高齢者には席を譲るべきである
・家に帰ったら手を洗うべきである
・靴はきちんと揃えるべきである
・上司の指示に部下は迅速に対応するべきである
・上司は部下の様子もきちんと把握するべきである
……等々、このように見てみますと、人生経験の中で身についた「べき」、育った家庭の躾で形成された「べき」など、多種多様であり、十人十色であることでしょう。即ち、自分自身が長年信じてきたことに対して、相手も「全くその通りである」と思っているとは限らないのです。特に、育った世代や環境が違う相手の場合、相手と自分の「当たり前」が異なることは、珍しいことではないはずです。
よって、もしも「普通はこうするものではないか?」「あたり前じゃない?」とイラッとしてしまったとしたら、自分の中にある、どのような「べき」がそう思わせているのか、立ち止まって考えてみることが大切です。
さて、ここまで書くと、何やら「べき」が怒りを引き起こす元凶のように感じてしまわれるかもしれませんが、早合点しないで下さい。「べき」自体には、正解・不正解はありませんし、長年信じてこられた自分の「べき」は、自分にとってのある種の真実なのです。但し、同時に、全ての人にとっての真実ではない、ということでもあります。これは、それぞれの「違い」や「個性」として、一旦受け止めましょう。
また、一見すると似た「べき」を持っているようでも、人によってその「程度」は違います。
例えば、「時間は守るべきである」を例に挙げてみましょう。「10時スタートの会議」と聞いた時、「開始10分前には会場に到着すべきである」と思っている人もいれば、「10時ちょうどに到着すれば良い」と思っている人、「同じ職場の人間が集まるのだから、5分程度の遅刻は許容範囲である」と思われる人…等々、さまざまです。
まずは、自分がどのような「べき」を持っており、そしてそれらを「どの程度」望み、信じているのか。それは周囲の人にとっても同じであるか、そうでないかを振り返ってみましょう。職場、家庭、公共の場などを思い浮かべながら、ご自身が持っている「べき」を書き出していくことも、アンガーマネジメントの取り組みの大切なプロセスなのです。
加えて、「べき」の中には、どれだけ信じていてもどうしようもない、つまりコントロール不可能な「べき」もあるので、その点は注意が必要です。その代表的な例として、以下のようなものが挙げられるでしょう。
・「努力は必ず報われるべきである」
・「失敗するべきではない」
・「皆から好かれるべきである」
・「どんな人とでも仲良くするべきである」……等々。
このような「べき」は、信じていても叶わないことが多く、信じているために自分自身が苦しくなっていってしまうことがあるので要注意です。
このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、
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どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、不安症、
躁うつ病(双極性障害)、強迫症、心身症、
パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、
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大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門のスタッフによる精神科ショートケアも行っております。当院のショートケアのプログラムの中には、アンガーマネジメントを扱っている回もあります。また、個人カウンセリングでも対応可能です。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。