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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「風邪(かぜ)」という言葉の語源は漢方ですが、本来の読み方は「ふうじゃ」です。漢方では、自然界が人体に与える要素は「風・寒・暑・湿・乾・熱」の6つがあると考えます。さらに、「春風が吹いて心地よい」など、風が身体に好影響を与える時は「風気(ふうき)」、そして「風にあたると肌がザワザワして気持ちが悪い」などの悪影響を与える時には「風邪(ふうじゃ)」と呼びます。
この「気(き)」と「邪(じゃ)」の境目は、その人の持つ身体の抵抗力によって変わります。「風邪(かぜ)」はまさに風の「気」が「邪」になって様々な症状を引き起こす現象です。これは他の5つの要素も同様で、これらの「邪」が侵入するときには、必ず「風邪(ふうじゃ)」が先導すると考えられています。
生理中に風邪(かぜ)をひきやすい方は、生理によって体力・抵抗力が落ちて、「風熱邪(ふうねつじゃ)」が血室(=子宮)に侵入してしまったと、漢方では考えます。生理痛と共に、風邪(かぜ)独特の身体のだるさに加え、寒気と熱っぽさが交互に現れます。更に、立ちくらみが酷くて起き上がれず、食欲も全くなく、酷い時には吐き気もしてしまうのが特徴です。熟睡もできず、ウトウトしかできないこともあり、しかも「風邪(ふうじゃ)」の影響ゆえに、風にあたることが気持ち悪く感じるので、外出もしたくなくなります。
このようなタイプの方は、生理が始まる直前より、風邪薬としての「小柴胡湯(しょうさいことう)」の服用が適していることがあります。しかし、何よりも大切なのは、「邪(じゃ)」が侵入しないように抵抗力を高める生活習慣を日頃から意識して行われることです。
月経前症候群(PMS)や生理痛の酷い方も、その時だけの対処療法だけではなく、日ごろからの原因療法として体質そのものを治していく、変えていくことが根本治療になっていくのです。
漢方薬はお一人おひとり、その方の体格(「証」)や身体の状態をきちんと診て、最も適したものをお出しします。逆に言えば、漢方薬は「症状だけでは選べないものである」とも言えるのです(=「同病異治」)。なお、小柴胡湯に関しては、当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することが可能です。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
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当院では、自律神経失調症をはじめ
更年期障害、冷え性、睡眠障害(不眠症)、不安症、
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