コラム
News

【心療内科Q/A】「怒りの持つ『4つの性質』を知りましょう~アンガーマネジメント②」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

「怒り」は中々に取り扱いが難しい感情の一つです。「怒り」について詳しく説明をしていきますと、「怒り」には4つの性質があると言われています。それが、以下の4つです。

 

 

1.怒りは高いところから低いところに流れる

2.怒りは伝染する

3.怒りは身近な対象ほど強くなる

4.時に怒りは行動を起こすモチベーションにもなる

 

 

 

1.「怒りは高いところから低いところに流れる

 

 

例えば、上司から部下へ、先輩から後輩へ、お客から店員さんへ、親から子どもへ…等というように、怒りは高いところから低いところへと流れる、言い換えれば、力の強いところから弱いところへと流れるという性質があります。

 

 

また、流れるだけでなく、それはさらに低いところへと連鎖していくのが特徴です。つまり、上の立場の人からぶつけられた怒りは、そのまま当人に投げ返されるのではなく、自分よりも下の立場の人に向けられるという「負の連鎖」が起きるのです。

 

 

例えば、上司である部長から怒りをぶつけられた課長は、さらに自分の部下に怒りを流し、親に怒られた子どもは妹や弟、または学校でより立場の弱いクラスメイトに怒りを連鎖させていくということになるのです。

 

 

 

2.「怒りは伝染する

 

 

家族や同僚など、周囲の身近な人がイライラしているのを見ると、何だか自分まで同じようなイライラした気分になってしまわれたことはありませんか。実はこの現象は、情動感染と呼ばれており、喜怒哀楽の感情は周囲に伝染します

 

 

イライラして気になるため息をつく人、「チッ!」と舌打ちをする人、パソコンのキーボードを不機嫌そうに音立てて打つ人、ブツブツと愚痴や不満が声に出ている人…等々、知らず知らずの内に、そういった人たちの怒りがあなたに伝わってきているのです。それをまともに受けて、自分までイライラしないように気を付けると共に、自分自身が周囲に怒りを無自覚の内にまき散らしてしまっていないかにも注意されると良いでしょう。

 

 

 

3.「怒りは身近な対象ほど強くなる

 

 

怒りは身近ない相手ほど強くなります。身近な相手とは、親しい知人、恋人、親友、家族、パートナー、親、子ども、きょうだい、長く一緒に仕事をしている人…等々が含まれるでしょう。このように、長く一緒にいる身近な相手ほど、「言わなくても当然分かってくれているはず」「コントロールできるはず」だといった思い込みが働いてしまうからです

 

 

また、このようによく分かっている相手だからこそ、相手への期待値も高くなり、甘えも生じやすくなります。そのため、思い通りにいかない場合に、怒りが生じやすく、さらにそれを相手に向けてしまい、怒りの程度も増々強くなってしまうのです。

 

 

長く一緒にいる人であっても、相手は自分とは別の人間であり、違う考えや価値観(「べき」を持っています。よって、例えどんなに身近で親しい間柄であっても、「言わなくては分かってもらえない、思い通りにならない存在」なのだと考えましょう

 

 

「言わなくてもわかってくれるはず。何度同じことを言わせるのだろう」

「私はして欲しいことくらい(長く一緒にいるのだから)分かるでしょ?」

「このくらいのことは、普通察してくれるはず」

 

 

……等々、身近な人に対して、このような気持ちになった時には、要注意です。

 

 

 

4.「時に怒りは行動を起こすモチベーションにもなる

 

 

怒りは強いエネルギーを持っているため、その扱い方によっては、「いつか言い返してやる!」「仕返しをしてやる!」などといった、非建設的(破壊的)なエネルギー源になってしまうこともあります。ですが、アンガーマネジメントを学べば、逆に建設的な方向にそのエネルギーを向けることも可能になります。

 

 

例えば、他者から馬鹿にされ怒りを覚えたけれども、それをバネに奮起して、「よし!結果を出してやる」「負けないぞ!」と行動されて、そのエネルギーやパワーにより何かしらの成果を出せたという経験はないでしょうか。

 

 

このように、怒りのエネルギーをうまく使って、建設的な行動へと意識を向けていかれることがお勧めです。

 

 

 

当院では、うつ病適応障害をはじめ、

睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、不安症、

躁うつ病(双極性障害)、強迫症、心身症、

パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門のスタッフによる精神科ショートケアも行っております精神科ショートケアプログラムをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。当院のショートケアのプログラムの中には、アンガーマネジメントを扱っている回もあります。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。